Target 18 入ファミリー試験DA!
平穏な日常、突如飛び込んできたのは暗雲だった。
そう…私と山本の平穏な一日をぶっ壊したのは、人間爆撃機獄寺隼人だった!!
彼によって連れ去られた山本、それを止めようとする私。
でも獄寺は譲らず、このままだと山本はダイナマイトの餌食に…!
そう思っていると、我等がボスがやってきて…私たちの表情はぱっと明るくなった。
さぁ、ツナはとめられるのか!!
「3人の運命はいかにッ!」
「って、何予告的なことをしてんだよテメェは!」
「やだ、人の脳内読まないでよ、エッチ」
「エッ…! うるせぇ!!」
顔を真っ赤にさせて怒ってる。もーウブだね獄寺は!
とにかく、やってきたツナは肩で息をしつつ2人の顔を見てほっとしていた。
ここに来るっていう事は…やっぱ悟ってたんだ、獄寺がケンカを売ること。
「ん? なにそいつ。ツナの弟?」
「「へ?」」
私とツナはそろって首を傾げた。
ツナに弟…いたっけ? 自称、家庭教師の赤ん坊は居るけど…。
そう思ってると、
「ちゃおッス」
「げっ、リボーン!!」
ちゃっかりツナの腰に縄を巻きつけて来たっぽい赤ん坊、リボーンが居た。
気付こうよツナ…どれだけ疎いのさ…。いや、リボーンが相当のやり手なの?
「リボーンも獄寺のアホを止めに来てくれたの?」
「ちげーぞ。それに、オレは弟じゃねーぞ。オレはマフィア、ボンゴレファミリーの殺し屋リボーンだ」
リボーンがさらっとそう言ったとき、一瞬でツナの顔が青ざめていた。
ああ、山本にばれちゃったよ…。
ただの親友だと思ってたツナや、獄寺や私がマフィアに関係してるって知ったら…驚くかな。
「ハハハハ、そっか。そりゃ失礼した」
「「へ!?」」
と思ったら、これまた予想外の反応に私とツナは唖然としてしまった!!
「ツ、ツナ…山本が普通にマフィアを受け入れてしまったよ…まさか彼どっかのマフィアの息子か!?」
「そ、そんなわけないよ。だって見てただろ! あの山本のあどけない笑顔!」
「そりゃ、そうだけど…」
私たちがそんなやり取りをしている時でも、山本は屈んでリボーンと話をしている。
加えてリボーンは「おまえもボンゴレファミリーに入るんだぞ」と強制的な勧誘をしてるし!
空気が一瞬凍ったのは獄寺が殺気をぶわっと出したからかな…!?
「ちょっ、おいリボーン!」
「まーまー相手は子供じゃねーか! オレらもガキん時やったろ? 刑事ごっこだの、ヒーロごっこだの」
そう言った山本に、ツナの鋭いツッコミが飛んだ。
「マフィアごっこだと思ってんのー!?」
「私の場合、セー●ームーンごっこはよくやった」
「そういうことを言ってるんじゃないよ、! せめてお前はまともで居てー!!」
特に私はセーラー○ーズが好きだったよ…。
聞いてない、そんなこと誰も聞いてない!
リボーンはツナが10代目だという事も話した。それには山本も賛成している。私と同じ考えみたいだ。
それでいて、山本はリボーンをひょいっと肩に乗せている。
「よーし分かった。んじゃオレも入れてくれよ、そのボンゴレファミリーってのに」
正気か、山本ォォオ!!
心なしかリボーンがにやっとした気がした、イヤ…してたなッ! 獄寺は獄寺で、でっかい舌打ちしてるし!!
「何言ってんの!?」
「や、山本、本気?」
私がそういえば、「おうっ」とこりゃまたにこやかに言われた。ああ、眩しいぜ山本!
でも、まぁ…危ないことは(とりあえず)ないし…大丈夫かな。
「で、何すりゃいいんだ?」
「まず入ファミリー試験だぞ」
「っへー試験があんのか、本格的じゃねーか」
「え、私試験受けてない…。獄寺はあの爆撃事件だろうけどさ」
ん? まさかと思うけど
「も受けやがれ」
「っどぇええ!!」
「ちなみに不合格は死を意味するからな」
「パス! パスー!!」
なんで命かけなきゃいけないのよ! リボーンだったらマジでやりかねない!
「誘ったのはリボーンじゃないのさ!」
「面白そうだからやってみろ」
「面白そうか!? いやいや、命の危機だよ! 風前の灯だよ!」
「ハハハ、マジで面白い坊主だな、気に入ったぜ」
気に入るな! こんなデンジャラスベイビーを!
「ちょっと、山本の馬鹿ー!! ツナ、止めてよ!」
「さっきから止めてるよ…!」
「試験は簡単だ。とにかく攻撃をかわせ」
そう言ってリボーンのお手元には、ナイフー!?
「ちょ、待ったリボーン!」
「んじゃ、はじめっぞ」
人の話し聞かないでナイフ投げてきたー!!!
「あーもうっ!!」
私はそれと左に跳んでかわす。山本も右に跳んでかわした。
え、山本動体視力いいな…。
「ま! まてよリボーン!! 本当に山本を殺す気かよ!」
「まぁまてツナ」
「え?」
山本はツナの肩に腕を回した。そりゃまたにこやかに。
「オレらもガキん時木刀で遊んだりしたろ? いーじゃねーか、つきあおーぜ? な、!」
「こっちにふられましても…」
「だってピアで遊んでただろ? 同じことだぞ」
「リボーン…そりゃ、そうだけど…」
これ遊びじゃないよね!? ナイフ投げてる辺り、殺しもしくは曲芸だよ!
「ボスとしてツナも見本を見せてやれ」
「はぁ!?」
「…ツナ、こうなったら巻き込まれて!」
「えぇ! まで何言ってんのー!?」
「さぁ逃げろ!!」
後ろからナイフが迫ってくる、
私たちは必死こいて逃げる…が、山本はめっちゃいい笑顔を見せてくる。
それでも感心したのは、山本が無駄の無い動きでナイフをかわしてたこと。
…すごい反射神経、野球だけであそこまで鍛えられるの!?
山本に見とれてたら
「ちょ、危ない!」
私にナイフが飛んできた。あー…避けられないなら…叩き落してやる!!
私はさっと月凪を出して、さっと叩き落した。甲高い金属音と共にナイフは地面に落ちた。
「ふぃー」
「その細い剣何ー!?」
ツナは驚いて私を見ていた。もちろん獄寺も。
「そっか、ツナにも獄寺にも私の戦い方は見せてなかったなぁ。
いっつもこのピアで雲雀さんとケンカしてるんだよー。ちなみにこれはリボーンから貰った」
「へぇ、すげぇオモチャだな!」
「いや、オモチャじゃないよ山本!」
これ持って歩いてるとおまわりさんに捕まるんだよ!?
へー大変だな。リアルすぎるオモチャってのも。
あかん…山本さん末期ですよ。
「次の武器はボウガンだ」
「あ、ツナだめだ。ボウガンはちょっと対応できない」
「しかも先回り!?」
いつの間に移動したのさあの二頭身の足の短さで!?
「ガハハハハ、リボーン見ーっけ!!」
さらに怪しい声が上から聞こえた。
「今度は何だ?」
「まさか…!」
「ツナ知ってるの? すごく幼い声だけど…?」
ツナの目線の先を見てみれば、非常階段の踊り場に
なんかもさもさしたものが見えた。黒ブチ…ん? 牛柄なのかな。
リボーンと同じ二頭身。
「こ、子供…!?」
「オレっちじゃボヴィーノファミリーのランボだよ!! 5歳なのに中学校に来ちゃったランボだよ」
「へぇえらいねーおつかい?」
「ガハハハハ、オレっちえらいもんねー!」
んー、70点ぐらいのかわいさ…!
でも、よく考えたら赤ん坊のリボーンが学校来てる方が凄いんだけど…。
しかも今もボウガン持ってるし。
「、相手しないで! あいつうざいから!」
「まぁまぁ可愛いじゃん、あのランボって子。相手してきてあげようよ」
「ダメダメ! あいつ何隠し持ってるか分からないから!!」
あーあれでもマフィアなんだもんねぇ。
しっかしマフィアって…年齢関係ないのかな? 不思議。
「ボヴィーノ? 聞かねー名だな。リボーンさんどーします?」
「続行」
それだけ呟いて、ボーガン連発してきた!!
え、あの子放置するの!? というか今の不意打ちって言うんじゃないでしょうか!?
横目で見えたあの子はなんか泣きそうだったけど、すぐに立ち直って何か構えて…。
ってあれ
「パンパカパ〜ン♪ ミサイルランチャ〜!」
ミサイルランチャーって危険じゃぁありませんか!?
「死ね(ちね)、リボーン!!」
リボーン狙ってるらしいのに…もろこっちに向かって跳んできてますけど!?
「ちょ、ツナ死ぬ気で何とかして!!」
「そんなこといったっって…んぎゃぁああ!」
ツナも私も爆風で吹っ飛ばされた!
か、辛うじて当たらなかったけど…死ぬて! 危ないって!
「フーッ、こいつぁなめてっと合格できねーな」
「もう合格どころの騒ぎじゃないよ…」
ツナが抗議の声を上げているけど、リボーンはサブマシンガンを構えて撃ってくるし!
またミサイルランチャー撃たれるし!!
くわえて…
「10代目!!」
なんかダイナマイト構えた人がいるし!!!!
「やれやれ、10年後のランボがやるしかねぇか」
「ってあの人誰ーー!!!!」
ミサイルランチャーを軽快してると、ランボの居た位置になんかすごい人がおるけど!?
「最後はロケット弾だ」
っていつの間にかリボーンはロケット弾構えてるし!?
ミサイルランチャー・ダイナマイト・ロケット弾。
3つの攻撃が…私たちに迫ってくる!
私は走れば避けられる…山本も! でも死ぬ気じゃないツナは…!
「ぎゃあああ!!」
もう…!!!
「ふーあぶねーあぶねー」
「危機一髪…だったね」
私は咄嗟にツナを引っ張ったけれど、同じことを山本もしていた。
だからツナの体が軽く感じたのかな。
「と山本が引っ張ってくれたお陰で助かった…」
ありがと、と言うツナに…私と山本は顔を見合わせて笑った。
「10代目を守るのがファミリーとなった私の仕事でしょ?」
「だなっ。3人とも無事でよかったな!」
私たちが和気藹々としていると
「も山本も試験合格だ。これで正式にファミリーだぞ」
リボーンが満足げにそういった。うーん…なんかしっくりこないぃ!!
「よくやったな。10代目を守ったんだ、ファミリーと認めねーわけにはいかねぇ」
「何故に上から目線だ獄寺め…!」
「お前はいいんだよ、土踏まずって決まってるから最初から俺は認めてたぜ?」
「だったらなんで巻き込んだよ、この人間爆撃機…!」
終わったから言えることじゃないのか? 部下のお前がツナを危険な目に会わせてどーする!!
まぁ…リボーンがそそのかしたと思うけどさ!!
獄寺は山本をじっと見た。
「まぁ、10代目の右腕はオレだからな。おまえはケンコー骨だ」
ケンコー骨って…なんで? 土踏まずもアレだけど、なんでだよ。
頭いいんですよね獄寺さん? なんでそんなチョイスなんですかー!?
ケンコー骨といわれた山本は一瞬キョトンとしたが…すぐに軽快に笑い飛ばした。
んで、獄寺に腕を回した。
「前から思ってたけど、獄寺って面白ぇー奴な! …だが」
するっと獄寺から離れて、山本は自身に指をおったてた。
「ツナの右腕を譲る気はないね。おまえは耳たぶってことで」
「「なんで耳たぶー!?」」
私とツナの突っ込みも虚しく、2人は50歩100歩のいい比べが始まった。
「な、なんで2人とも部下気分なの!?」
「そこは突っ込まないからね、ツナ! 私が前に言ったこと、2人も思ってるだけだよ?」
ツナじゃなきゃ、私たちは部下なんてやらないんだから!
ツナは泣きそうな顔でやめてくれと言っていた…。
こうして、山本が正式にファミリーに入ったのだけど…。
「しっかし、さっきの爆発といい最近のオモチャってリアルな〜!」
「「まだマフィアごっこだと思ってるの!?」」
彼の天然さは、留まることを知らない。