Taget15 スモーキンボムの力!



「沢田を殺ればオレが10代目内定だというのは本当だろうな」

「「はぁ!?」」


な、何ー! 殺るって…んな物騒な!


「ちょっと待ってよ! そんな馬鹿な話があるかぁ!!」


リボーン…「ツナが10代目」って自分で言ったんでしょうが!!


「ああ本当だぞ」


あっさり肯定しおったしー!!


「そんなのダメだよ! リボーンはツナを10代目にする為に来たんじゃないの!?」

「んじゃ殺し再開な」

人の話は聞こうぜ、リボーン!


ちなみに…お前は戦うなよ?

それってツナを見殺しにしろって言うわけですか、この鬼ー!


「まてよ! オレを殺るって…何言ってんだよ、冗談だろ?」


顔を青ざめさせながら必死に訴えるツナにリボーンは本気だと応える。
あーもう、相変わらず意図の読めない顔ー!


「ちょ、それならファミリーの一員として私も戦うべきだよ!」

「ダメだぞ」


そう言われ私は縄で縛られる。一瞬で。


どこでこんなスキル身に付けたよリボーン!!!


SMですか!? こういうプレイをしたいのか! 18禁にまだ満たねぇ赤ん坊でしょうよ!
羞恥心です、もー辱められてますよ私!!


「じょ、冗談じゃないよ!」


ツナが逃げ出そうとしたとき、そこに立ちはだかるのは獄寺君!
手にはタバコの箱。…しかもそれ全部くわえて…点火したぁ!?


あんた、中学生でヘビースモーカーかぁああ!?


「手にどんだけダイナマイト持ってるのよ!!」


加えて1、2本じゃなく何本ものダイナマイトに火をつけた!


「あれは危ないよ!! ってか彼何者!?」

「獄寺隼人は体のいたる所にダイナマイトを隠し持った人間爆撃機だって話だぞ。又の名をスモーキン・ボム隼人」

「ご丁寧な説明どーも! というか予想通りの呼び名にがっかりだよ!」


ツナは生死がかかってるためか、必死に逃げる。
それを「果てろ」と言いつつダイナマイトで攻めていく!


「ツナー!!!」


頑張れとしか言えないっす!



「とりま生きてねっ!」

無理無理無理〜!!!


情けないぞ10代目ー!! 私の言い方無責任だけど、この縄解けないもん!

そんなこと思ってる内に、ツナは追い込まれてしまった。
逃げ道はなくなり、獄寺君はダイナマイトを構えてる。


「うそ!」

「終わりだ」


獄寺君の鋭い目つき…あれはやばい!
ばっと放り投げられた大量のダイナマイト!!


ぎゃああああ!


ツナは今にも泣きそうな声で悲鳴を上げている。だめだー!!


「リボー……あ!」


リボーンを見れば…特殊弾を装填させてる…これなら!


「死ぬ気で戦え」


そうして放たれた弾丸は…ツナの眉間を射抜いた。


ツナは脱皮(表現がヤダ…)して、


「リ・ボーン!! 死ぬ気で消火活動!!」


ああ、パンツ一丁の変態と化してしまったよ…
でも、死ぬ気になったツナは目にも止まらぬ速さでダイナマイトの火を消していく。


消す消す消す消す消す消す消す!!


いつ見ても…常人じゃありえない動きだよね…あれは。
ありえないと思ったのか、


2倍ボム!


素早く新しいボムを、量を増やして投げ込む獄寺君。


消す消す消す消す消す消す消す、消すー!!


だけど死ぬ気になったツナに、そんなの通用しないで容赦なく消されていく!


ッ3倍ボム!


躍起になったのか、手に抱えるのも精一杯のボムに火をつけた。


「あ、あんなの自分も危ない!!」


言ってる傍から獄寺君は自分の足元にダイナマイトをこぼしてしまう。
ダイナマイト地獄と化した自分に、真っ青になった獄寺君…でも大丈夫。


消す!!


死ぬ気になったツナには、ダイナマイトしか見えてないよ!


あっという間に獄寺君の周りに落ちたダイナマイトを消していく。
あーもう、教われてたことも忘れちゃってるんだよね死ぬ気のツナは。


全部消火しきったころに…ツナの炎は消えた。


「はぁ、何とか助かった…」


安心したのか表情の緩むツナに…獄寺君は土下座してた。


「「えええええええええ!!!」」


本日二度目のツナとのコラボ叫び!(何だ)


「御見逸れしました!! あなたこそボスにふさわしい!!」

「「はい!?」」

「10代目!! あなたについていきます!! なんなりと申しつけて下さい!

「「はぁ!?」」


私とツナの反応が面白いまでに重なってる…あ、縄が緩んだ。


「負けた奴が勝ったやつの下につくのがファミリーの掟だ」


いつの間にか窓からツナのそばに移動しているリボーン。
ひ、卑怯だ…人を縛って置いて…!

私も開放されたことに開放感を覚えつつもツナの傍に寄った。


「ツナー火傷はない?」

「あ、うん。大丈夫」


さすが死ぬ気、怪我もなし…かぁ!


聞けば獄寺君は最初から10代目になろうなんて考えてなかったらしい。
ただ、10代目が同い年の日本人と聞いてその実力を試したかったそうで…。

ま、死ぬ気のツナ…もとい、ツナの心は獄寺君をも認めさせたって言うあれか。


「オレのために身を挺してくれたあなたにオレの命預けます」

「そんなっ困るって! 命とか…普通のクラスメートでいいんじゃないかな」


私のときと同じように言うツナ。
でも獄寺君はそうはいかないと目をギンギンさせてた。

おー怖い怖い。ツナも怯えてるよ。


「…2人目だな、ツナ」


満足げなリボーン。


「これもお前の力だぞ」

「何言ってんだよ!」


困るよー!と情けないツナ…。



…ああ、そっか。ボンゴレって暖かいな…。



「獄寺君、傷はない?」

「テメェに心配される筋合いはねぇよ」

「あーら、私だってボンゴレなんだよ? 加えてクラスメートで隣の席だし、仲良くしようよ!」

「言っておくがな、オレは10代目意外と馴れ合うつもりはねぇ!」


おーおー、10代目の忠犬になっちゃったよこの子!


「はいはい、じゃあ10代目の右腕になりなよ」

「? テメェは違うのか?」

「私は、ツナの右腕じゃなくて…違う人の右腕目指し中だからv」


そりゃもー雲雀さんちの恭弥さんですけどv
そう思いつつ笑って見せると、面食らったような顔をしてる。


「何さ、その顔」

「いや…ま、まぁ、10代目の右腕はこのオレだ!」

「頼もしい頼もしい♪ んじゃ私はツナの右足になろっかな!」

お前は土踏まずで十分だ!

なんでそこ!?


ナイスツッコミだよ、ツナ! そんで微妙なところに目をつけたな…獄寺君よ。


「ねー獄寺君」

「きもい」

「何、話しかけた瞬間きもいって、傷つくよ!? ガラスのハートがズタボロだよ!


もー盗んだバイクで走り出してもいいんですか!? 思春期ってのは多感な時期なんだからねッ


「その『君』をつけて呼ぶのは…10代目の特権だ!」

「じゃーなにさ、獄寺様ーとか、獄寺ちゃんとかがいいの?」

それのほうが気持ち悪いんだよ…。フツーに呼べ、フツーに!」


フツーって…


「獄寺…でいいの?」

「…チッ」

「何その舌打ち。あー肯定ですか? 肯定ととってもいいんですねー!?

「うるせぇよ! 」


貴様、ツンデレか!? あーそうか、ツンデレなんだなっ!



「獄寺はどうして私のこと知ってたの?」

「そりゃ、マフィアでテメェの両親を知らねぇやつは居ないぐらいだからな」

「…(そんなにすごかったのか、お母さんとお父さん!?)」



こうして獄寺とも仲良く(?)なれました…が。


「ありゃりゃ、サボっちゃってるよコイツら」


また、聞いたことのある声。


「そーいうあなた達もサボリじゃないんですか、不良さんたち」


笑いながらそういえば…現れた不良たちは真っ青にした。


きゅ、救世主の!?

「違うって言ってるのにー」

「ヤ、ヤバいって!」


ツナが私の腕を引く。あー、大丈夫だけど…今授業中だから乱闘はダメかな。


「オレに任せてください」


そう言って前に出た獄寺の手には…案の定ダイナマイツ☆


「ちょ、獄寺氏!?」

消してやらー

「「待て待て待て!!!」」


良い子はダイナマイトを使う時は時と場を選びましょうね☆
(イヤ、その前に使っちゃダメだよ!! Byツナ)