Target 12 どうも、新入りです



「ってことで、沢田君。私もMember of ボンゴレだからよろしく☆

ハァァア!?


実は今、沢田君の家に来ています。


「どういうことだよ、リボーン!」


沢田君は、ちんぷんかんぷんと言った様子でリボーンを見た。
彼は飄々としてイスに座っている。


「さっきが言ったはずだ。二度も同じことを聞くな」


そして容赦なく発砲した。あの、リボーンさん。ここ、一般家庭ですよ?
お母さんも銃声が聞こえたら驚いて飛び込むなりなんなりしましょうよ!


足元に銃弾撃たれた沢田君は、顔を真っ青にさせています


「ちょ、ちょっと待てよ! 俺はボスになるつもりなんて全くないんだぞ!?」

「すぴー」

寝るな!


あ、それって寝てるんだ!
目を開けたまま寝てる…なんつー器用な。それを分かった沢田君もすごいよ…。


さんもさんだよ、なんで入っちゃうかな…」

「ん? なんとなく、沢田君がすごい人に思えて」

「え?」

「普段ダメツナって呼ばれてたでしょ? なのに、変わってるって言うか…。
 リボーンのお陰で変わったのかなって思ったけど、多分…沢田君の心根が変わってきてるんだろうね」


私がそう言って笑って見せれば、沢田君は謙遜してるのか

「そんなことない!」

と両手を前に突き出している。


「だ、だって俺リボーンがいないとほんとダメで」

「そうかな? 今日の試合は当てにしないで頑張ろうとしてたんでしょ?」


ニコニコとそう言えば、頬をかいてる。
あ、照れてるのかな…かわいいねー!


「そういうところを買ったんだよ。それに私の両親もボンゴレだったらしいし」

「はぁ!?」

「ま、因縁って言うのかな? 大丈夫だよ、ファミリーとかなんとかいってるけど
 物騒なことは何も起こらないって…一部を除いて」


私はチラリと眠っているリボーンを見る。
沢田君も理解したように「全くだよ…」とぼやいてる。


「何はともあれよろしく、ボス」

「…俺としては、友達として仲良くしてほしいんだ。その、ボスとか嫌だし」


…そりゃそうだよね。どうみても普通(失礼か!?)なのに、急に「殺し屋やってます」じゃ…恐ろしいよね。
そんな私も「雲雀恭弥とやりあいました!」ってレッテル貼られてますけど…。

現にここを訪れた時「ヒバリさんとやりあったさん!?」と驚かれた。


「分かった、じゃーさんとか堅いからいいよ〜」

「え? じゃあ…?」

って呼んで? 私もツナって呼ぶけど…いい?」

「うん、いいよ! じゃー…なんか変わった縁だけど、よろしく」


とまぁ、仲良く握手してほのぼのしてる最中。リボーンの目が覚めた。


「そうだ、ツナ。弾を当てにしなかったから死ぬ気弾を撃ってやったんじゃないぞ」

「お、起きたのかよ」

「撃ってないと腕がなまるからな、これからはガンガン撃てるぜ

「「えぇええ!?」」

「すぴー」


ツナ…生き残ってね!!



「…こいつ、ほんと何考えてるかわからないよ…」

「そうかな? ツナをボスにすること以外何も考えてないと思うよ」

「それが嫌なんだよ! あーどうにかしてよ、本当!」


かわいそうだけど、頑張って…!


そう声をかけようとしたとき、私の携帯がなった。この着信音は…電話?

携帯を出してみれば、見慣れない11桁の数字。誰からかな…。
私はツナに断りを入れて、その電話を出た。


「はい、もしもし」

『何やってるの?』




……………アノデスネ
あり得ない人からの電話だと思うのですが、あり得てもいいんですかね。


この声は聞き間違えるはずがない! 電話越しだろうと何だろうと、分かるんだから!


「雲雀さん?」


沸き起こるテンション抑えつつ、確かめるように名を呼べば…


『そうだよ。…何度校内放送で呼び出したと思う?』


不機嫌そうな声が、ちゃんと返ってきた。
わぁぁぁああ、雲雀さんだよ! 生雲雀さん電話だよ!

相手が確定した瞬間、テンションが抑えきれなくなった…!


『そんなに咬み殺されたいんだ』

「いや、そうではなく…あーでも雲雀さんなら、っていえ! なんでもないです!
 その呼び出しの事! ご、ごめんなさい! 今日は即行で帰ってしまったので…。
 でも、ちょーっと待ってくださいね? なんで雲雀さん、私の電話番号知ってるんです?」

風紀委員の情報網をなめてる?



風紀委員にブライバシーという壁は存在しないらしいです!


「…ん? もしかしてこの番号…雲雀さんの携帯のですか!?」

『だったらなんなの?』

「うっわー! 登録しちゃいますよ! 雲雀さんも私の登録してくださいね〜!」

『…どうでもいいけど、今どこにいるわけ?』

「え、ツナの家です。…あーツナって分かります?」


…そう言ってみれば雲雀さんは黙ってしまった。わ、分からないのかな。


「えーっと、持田さんとパンツ一丁でやりあった子です

「ちょ、! 誰と電話してるか知らないけど


それを聞いたツナが、冷や汗かきつつ私を見てる。いやー…印象深いでしょ、あれなら!


「と、こんな声してる人です」

『…分かってるよ。なんでそこに?』

「用事です。前に言いましたよね、興味があると…あ、嫉妬してr

ないから


そう、ですよね…うぅ、はめげませんよっ!


『…出来るだけ早く、学校に戻ってきなよ』


え?


「え?」

『来なかったら咬み殺すから、じゃあね』


ブチ。


……雲雀さんからの、お呼び出し…?


「で、誰からだった?」

「雲雀さん」


私がそう答えれば、案の定ツナはびっくりしてる。


「えぇ!?」

「私学校に戻らないといけないから行くね! それと…また明日ね、ツナ」


私がそういえば、ツナは一瞬きょとんとした顔をしたけど…はにかんで「またね!」と返してくれた。


一階に降りてツナのお母さんに挨拶をして出て行くと、お母さんが「また来てね」と言ってくれた。
うん、絶対来ますから!




絶対、生きてまた来ます!!