Target9 リボーン現る!
今日から夏服の時期になりました。身軽になって、気分も清清しくなった…。
さて、行こう学校に!
意気込んでドアを開けたら。
「ちゃおッス」
それは、いた。
玄関を開けたら二足歩行の二頭身、つまり赤ちゃんが、コスプレして立ってました。
いや、まじで。
「…えーっと、おうち…間違えてるよ? ここはお姉さんのおうちだよ?」
私はしゃがんでそういうと
「知ってるぞ」
そういわれましたよ。…知ってってきてるのか、この子!
まさか…私の弟!? 母さんの隠し子なの!?
「弟とは違うぞ。オレはヒットマンのリボーンだ」
「ひっとまん?」
「殺し屋だぞ」
…ちょっ、この子のお母さん!? どんな教育してるんだー!!
「ま・マフィアごっことかいうんじゃ…」
「ごっこじゃねぇぞ。オレは本気だ」
ちゃきっとなんか銃を構えた。
お、オモチャの銃? にしてもリアルだなー。
そう思ってると、
ドキューーン!!
発砲、されました。
「な、ななな!」
銃弾は私の頬を掠めて、見事に壁にクリーンヒット☆めり込んでらーい!
って、アホな!
「銃刀法違反んんん!!」
「そう言ったらお前もだな」
「げっ、何で知ってるのー!」
「知ってるぞ。12歳。3月6日生まれでB型。武器はレイピア。
身長157cm、体重は「ああああああああーーーそっから先は放送禁止ィィイ!」…だぞ」
プライバシーもへったくれもあったもんじゃないな!
私は全力でこのスーパーな赤ん坊の口を封じました…よ、世の中って恐ろしい…!
「とにかく、正真正銘の殺し屋でマフィアだぞ」
「分かった…君がスーパーベイビーだってことが分かった…。って言った瞬間武器を向けるなぁ!」
危険な赤ん坊だ…この子!
とにかく、私は無理やり理解するしかなかった。
「で、そのヒットマンがなんの用さ!」
「これを届けに来たんだぞ」
そう言って手渡されたのは…円柱の物体。…おもちゃかな?
「違うぞ」
「ですよねぇ! 分かってる!」
どうすればいいのかと、見てみるけれど…何にも怪しいところはない。
私はボールを扱うように、軽く上に放り投げてみた。すると…
円柱の物体が床に突き刺さる物に変わりました。
「レイピアァア!!」
「これは『月凪』と言って、ボンゴレの特注品だ」
「ボンゴレ? アサリ?」
「マフィアの名前だ。ボンゴレファミリー」
…ここに来て話がリアルになってきたんですが。
「って、リボーンだっけ!? なーんで君が私の家に、これを届けに来るのさ!」
「お前をボンゴレに入れるためだぞ」
「はいぃ!?」
つまり、私にマフィアになれって? 冗談じゃないッ!
「冗談を言うのもいい加減にしようか…」
「お前の両親もボンゴレの一員だったんだ。そう言っても入る気はないか?」
「お父さんと、お母さんが…?」
いやいやいや! おかしいでしょ! お母さんはフェンシングの選手、お父さんは亡くなってる。
いつ、マフィアと関わるっていうの! マフィアなんてそんな…。
…いや、ちょい待て。
「…まさかと思うけど、黒い服着た人がよく来ていたのは…」
「そうだぞ。お前に財産を相続させるには早いと考えたボンゴレ9代目の計らいで
必要な分のお金をホストファミリーに渡していたんだぞ。今も、こうやって通えているのは9代目のお陰だ」
「ってことは私…!」
黒いお金で生きてきたのかー!!!
「マフィアってことは…人を殺したお金、なの!?」
「母親は情報屋だったぞ」
「父さんは否定しないの!?」
「…今はもう中学生、話す時期が来たってわけだぞ」
なんつーか、赤ちゃんに子ども扱いされてる気がして嬉しくないっす。
でも…これで、今まで私が不思議だったことが少しは納得できた。
何でお金に困らないのか、時々見る黒い服の人は誰なのか、なんでレイピアが護身用としてあるのか。
…そりゃ、両親マフィアならしゃーないわな。
「オレは丁度、10代目のボスの家庭教師をやる為に日本に来てるからな、ついでにお前に話す役を買って出たんだ」
「…10代目? えーっと…」
「お前と同じクラスの、ダメツナだぞ」
「んなっ、沢田君!?」
ちょっ、無理があるでしょ! ま、まさかのギャップだ…。
何をやってもさえない彼が…マフィアのボス!?
「そういう反応をすると思ったぞ」
「…だって」
「あり得ないか? だが、あいつ以外に10代目はあり得ないんだ」
「他にもいるでしょ…」
絶対。だったら雲雀さんとかの方が…ああ、それもあり得ないか。
「何はともあれ…お前もファミリーに入れ」
「どうはともあれですかね!? つーか強制かい!!」
「これからもファミリーは増える予定だぞ」
「予定か!!」
不確定要素ばっちりやないか!
だってマフィアだもん。
かわいく言ったてダメだ! お前の本性は分かってるんだから!
「、お前はボンゴレに必要な人材だ。まぁ、とにかく」
学校に行くぞ。
あ、遅刻寸前!
私は鍵を閉めて…後ろを振り返る。リボーンはひょいっと私の肩に乗り移った。
重くはない。重くはないけど…赤ちゃん学校につれて行くのってどうよ。
「はツナをどう見てる?」
「どうって…周りからだめだめ言われてる、かわいそうな子?」
「だろうな」
分かってたら聞くんじゃないぃ!!
「でも、あいつはオレの教え子だ。だからボスには最適だ」
「根拠ないよ…というか、ボスとか関係ないし…」
「まぁ、今日のお楽しみってことだな。見てろ」
気付いたら学校についていた。
「じゃあな」
そういってリボーンは私の肩から降りてどこかへ行ってしまった。
とはいえども…ここ学校なんですが、赤ちゃん野放しでいいんですか!?