初めて出会った彼女は、他の誰とも違う雰囲気で
あぁ、僕は彼女と出会う運命だったのか?
そう思えてしまうほどだった。
それもそうだ。あの人という共通点が会った。
トンカチで人を殴る、あの人という…
素敵なあの子も、殴られた♪
音痴でスイマセン。初っ端から謝ってらー…。さて、定番のおさらないのコーナー☆
ソフィアが…アンジェラというアクマであることが分かった私たちは、彼女達に何が起きたのか、その哀しみ、痛みに触れた。
そうして明かされる謎…明かされずじまいだったのは店主が彼女たちに何をしたのか、だ。
「やましいこと云々」という店主さん。
その、やましい事って何だ!?おピンクな妄想が私の中を駆け巡る。
戦う気力を失っていた私を叱咤したのはゴズ。
「逃げちゃ駄目だ!」と某アニメの主人公的に…嘘です!
そうして私はイノセンスを発動させたが…力及ばず!
庇ってくれたのは神田、瀕死の重傷を負う…えらいこっちゃえらいこっちゃ!
そう思っていると、私のイノセンスが「秀才型☆」とかぬかす『風』が発動!!
神田も無事目を覚まして、アンジェラを破壊することに成功し…
最後はみんなで「萌え」を叫びました…(嘘ですね、はひ)
そんなこんなで、今…私たちは、教団に戻ってきた。
「ねぇ神田ー…血まみれだとみんなドン引きーでしょ?」
「ほっとけ。大した傷じゃねぇんだ」
いやいやいや!放って置ける訳無いでしょう?!
大した傷じゃないわけない!深い傷なんだ…ここまで歩けたことが奇跡だよ!
それでも構わず神田はずんずん進んでいく。ゴズはゴズでどこか行っちゃったし…つーか、
「どっかいくなら私の手も離せ!」
なんで掴みっぱなしなんですかこの人!ダンケルン出て、列車に乗ってるとき以外は腕掴んでます。
そんなに私と離れたくないのかコノヤロウ☆可愛いじゃないのッ萌えるじゃないのッ
ってそうじゃぬぇ。
「どこ行くの!司令室でも科学班のところでもなければ…」
この方向は…私と神田の部屋の方向だ。
キャァ、まさか私を襲ッ!?だ、だめよこんな夜に健康な男女が…ッ!
「ちょ、だめよ神田!!ストップー!!」
止まったのは神田の部屋。バンッと勢いよく開けられた部屋。
相変わらず無機質で、淋しい部屋。割れたガラス窓…
神田の視線の先には…あの蓮の花が入った容器。
神田から、息が漏れての力が緩んだ。
「な、なんだったの…一体;」
訳が分からない。あの花がなんだったのかな?
「この花は…俺の願いで…」
「へ?」
よく聞こえない、なんて言ったの神田。。。
「神田?」
「なんだ」
「なんだ、じゃないでしょ!私をここまで引っ張っといて…。
なにがなんだか、すでに思考回路はショート寸前♪でしょうに!」
「なんだそのフレーズ…;もとからだろ?」
「ウザっ!お前ウザイ!実家に帰っちゃうぞ!」
結婚してないだろうが!
妄想で、してるのよ!
とにかく、いつもの神田に戻ったところで…
「怪我は?あんな酷い怪我だったんだから大丈夫な訳無いわよね!」
「うるせぇ!あんなのすぐ治る…ってなに徐々に距離をつめてやがんだ!」
「こうなりゃ強攻策☆無理やり脱がしてやる!」
じりじりと迫る私に対し、神田は同じくじりじりと後退していく。
うふふ、悪代官様ごっこしてる気分だわー
『よいではないか、よいではないか』
『そんな、だめですお代官様』
『苦しゅうない苦しゅうない…そぉれ』
『あーぁれーぇええ』
「萌え!」
「なにがだ!いい加減にしろっ!!」
神田が六幻に手を掛けた瞬間!!
「てりゃっ!」
私は神田に飛び掛ってやった☆そしてそのまま、私が押し倒す形で…
「ッッッッ!!退けぇ!!」
「やーだーね!こんなオイシイとこ…いえ!神田の傷が心配なの!
さぁ、大人しく脱がされやがれってんだ!」
「バカヤロウ!いいから、さっさろ退け……ッ!」
神田が顔を歪めた…!なぜなら…
その視線の先には救急箱を持ったゴズが顔を真っ青にして口をパクパクさせて…
「イヤンvknockはしようゼ!」
「か・かかかか神田さん!なんて淫らなッ!
純粋なさんをたぶらかしたんですかーーー!!!!」
「どあほぉォオ!!どうたぶらかすんだよ!この状況で!どう考えても俺が襲われてんだろうが!!!」
とりあえず、私は神田から退いてあげる。
このままじゃゴズの脳内が大変なことになり兼ねない気がしたからね!
ゴズは真っ青だった顔を今度は真っ赤にしてる。
忙しい奴ねぇもう、ゴズったら!
「やっぱ、神田さんって大胆ですよね…、俺尊敬しますッ」
「尊敬すな。つうかお前も十分大胆だと思うぞ私は。
それにゴズ誤解。私が神田を押し倒してたんだし、ゴズの脳内のようなことはないから」
それでも尚、ゴズの顔は真っ赤。本当に純情だなこいつは…!
救急箱を持っているという事は…神田の治療に来たのかな?
「それはそうと、ゴズ。神田の治療に来たんでしょう?私も手伝うからまぁ座れ!」
「テメェの部屋じゃないだろうが!」
「まぁ、気にすんな☆」
ご近所さんじゃないの!と言うかのごとく床をベシベシたたく。
でもゴズは首を振って遠慮がちにこういった。
「できるなら、医療室に来て欲しいのです。傷の手当てしないと駄目ですよ?」
「これくらいどうってことない。もう、ふさがりかけてる」
「駄目でしょ;人の親切は受け取っとこうよ!無愛想すぎると、愛してもらえないぞ!さ、行こ?」
私とゴズが急かすと、神田はため息をついて廊下に出てくれた。
その瞬間、いきなりゴズが頭を下げた。
「さっきの衝撃で言い忘れてました。助けてくれてありがとうございました」
それは私と神田に体する…お礼?
「わ、私は何もしてないよ;ほんの一瞬しか守れなかったしさ。
それに…ゴズがあそこで奮闘してくれなきゃ、叱咤してくれなきゃ動けなかったろうし!
お礼を言いたいのはこっちの方!ありがとう、ゴズ」
私がそう言って微笑みかけると、ゴズもぱぁっと顔を明るくさせた。
そしてその視線は神田に向けられる。
「神田さん…あなたが本当に冷血ならば、俺のことなんか見捨てたはずです。勝手なこと言ってすいませんでした」
「…くだらん」
「実際に血を流し、アクマを倒したのはあなただ。
俺はただ見ていることしかできなかった。そんな俺に偉そうに情けを語る資格なんかなかったのに」
「そうだな」
ってヲイ!神田冷たいな…!でも、分かってるんだろうけどね。
ゴズの思いとか、そういうもの全部…。だって、神田は
ツ ン デ レ ☆だからNe!!
あと、隠れ熱血キャラ?なんつーか血の気も多いし…うん、そうだ。
「戦闘において、もとから探索部隊の人間に何も期待していない。謝るのは筋違いだろ」
「それでも、です」
ゴズはもう一度、深く頭を下げている。
それにつられて、私も下げてみる。
「何故さんまで!?」
「え?気分」
「気分で頭を下げんな馬鹿女!!」
「ヤダ、神田ちゃん!頭を叩かないで、貴重な脳細胞が死滅するでしょ!?」
ほぅら神田が叩く度に、1匹2匹…、あれ?細胞って匹で数えるの?
そんな私にゴズが苦笑し、神田は呆れていた。
「とにかく!医療室に向かってくださいね?俺は行きます!あと、さんちょっと」
「はい?」
呼ばれたので、ゴズの方向に向き直る。その瞬間、
ガバッ
また、抱きしめ、られました。
は!?なんで!?いきなりどうしたゴズー!!
図体がでかけなけりゃぁ普通に受け入れられるんだけどね;
やっぱ抵抗がある、このでかさに。
「なんばしよっとぉ!?(何してるのぉ!?)」
「な、何してやがんだ貴様!」
ゴズは無言、背後には神田の怒りの気配。
「エクソシストとして、頑張ってくださいね!」
それだけ言って私から離れ、走り去っていった。
エクソシストとして、か。うん、頑張らなきゃだね…!
「頑張るよ!」
「おい、何言われたんだ」
「なーんもない!でも、」
なんで抱きしめられたんだろ?
抱きしめるのが好きだったりするのか?それとも、まだ心は赤ちゃん?Baby!?
「お前……、俺が知るかよ。俺は行くぞ」
「え、何か言いかけた?まーいいけど。ちょっとー、私も行く!」
なんつーか、寒気がする。ヤダ、風邪ひいた?それとも神田の殺気に当てられた?
とりあえず、神田を追いかけよ…。
ン?神田を追っかけるその意図を知りたいって?
1、医療室を知らないからついでに覚えておこう!
2、治療中の神田を見たい。
3、ずっと眠ってる黒姫をそのままコムイさんに見てもらう。
だって、あの黒姫が任務中ほとんど起きていないんだよ?おかしいと思わない!?
なんか悪いもの食べたのかな…ちょっと心配。
「そいつも連れてのか?」
「黒姫、ずっと動いてないから…。まぁ眠ってるんだろうけどに気になって。
神田についていくついでに科学班のとこ連れてくよ」
そうか、と神田は短く答えて前を向きなおした。私はそんな神田の横顔を見てみる。
なんつーかやっぱり、綺麗だよなぁ…憎いゾ!
まぁ、そこも萌えポイントなんだろうけどサ。
医療室に入ると、医療道具を各々持った医療班の面々が神田を取り囲んだ。
さぁ服を脱げといわんばかりの視線を注がれ(私もその中の1人だけど)神田は渋々団服を脱いだ。
「うわ、ひどいですね」
医師がそういうので、私はひょっこり顔を覗かせてみる。
…生々しい傷跡が、そこにはあった。それこそ血は止まっているけれども。
「…イタ…い、よね?」
「あ?」
その傷は、私を庇ったせいでついた…あとに残ったらどうしよう。
神田だって嫁入り前の大事な…ゲフッ
鍛えられた体に残る傷なんて、見るだけ虚しいし、悲しいよね…。
私が俯いていると、神田のため息が聞こえた。
「2、3日で元に戻る。跡形もなくなるんだ、気にすんな」
「嘘だー…一生残るってそんなの。こうなったら私、一生かけて償うから!」
「念のため聞くが…どうやってだよ」
「そりゃ嫁に貰ってもらうっきゃ」
「却下だ」
バッサリ、斬られちゃいましたYO!
そこまでイヤか?あぁイヤですか?神田のタイプは黒き女王リナリーですか?
私じゃ魅力の「み」の字も感じないのね…!
「ッだって!私のせいだよ!?その傷ー!!」
「あ・の・な!前も言ったが、俺にだって選ぶ権利ぐらいある!!」
やっぱ選択肢の一つなんですか、私は。
私たちがガーガー言い合っていても、医師は丁寧に神田の治療をしている。
神田は神田で一瞬身震いして、顔が少しだけ青くなった。風邪か?神田も…。
なんつーか、さ。こうしてみると、神田って華奢な体してるのかなぁって思ってたけど
鍛えてるんだね、やっぱ。…そりゃ、私抱えて飛んだりとか、ゴズふっ飛ばしたりとかしてたしね。
じーっと神田の体を見つめていると、今度は頬を赤らめた神田がそっぽ向いた。
「何よ神田、青くなったと思ったら今度は…。つか今更恥ずかしがって…」
「恥ずかしがってねぇよ!だいたい人の体まじまじ見る奴がいるか、この痴女!」
「ち、痴女!?あのね、痴女扱いされる筋合いないわよ!この男女!」
「あ!?任務で意味の分からねぇ言葉連呼してたのはどこのどいつだよ!!」
「意味が分からないのは神田の知能が幼稚だからでしょ!!」
また言い合いになりそうになっても、医師は黙って治療を続ける。
今度は包帯を手にして、治療を終えた神田の体を丁寧に巻いていく。
息が荒くなった私たちは一時休戦し、黙って互いの目を見ていた。
なんつーか、うん、私が沈黙を破らなきゃ。
「…とにかく、ごめん。どれだけ言っとく」
「、お互い、さまだろうが」
「へ?」
「…俺だってお前に助けられた、だからナシだ」
神田…優しいわね!やっぱきみ、ツンデレだよ!ツンデレぇい!!
あーもう、萌える!私は痴女じゃないわ、腐女子なのよ!威張っていえるわ!
包帯を巻いている医師の手を見ていると、ちらっと神田の左胸が気になった。
「神田、左胸のイレズミーというか文字、なに?」
「あ?…気にすんな」
「なんて書いてあるのかは分かんないけど、なんか…文字っぽい!
いいなぁーカッコイイなぁー…私も入れたい!!」
「入れんな」
すかさず突っ込まれてしまいました。畜生め!!
私が反撃の牙を向こうと一息吸った瞬間。
「こいつアウトォォオオオオオオ!!!」
門番の声が、室内に響きやがりました。
あぁ懐かしや、この声のせいで私はコムリンに襲われたんですよ。死にかけたんですよ。
また、人間を間違えてるんじゃないだろうな…アレスティーナめ!(門番の名前)
私は手に抱いていた黒姫を机の上に置き、その情報を聞いていた。
「チクショ、あのくそ門番…また間違えてるんじゃないの!?」
それでも医療室にどよめきが広がる。
「えぇっ!」
「アクマが来たって事!?」
私のときもこうだったのかなァ…とおもうと、酷く虚しくなってきますよ、ママン。
神田は神田で周りの不安の声は無視で、門番の声を聞いていた。
「こいつバグだ!額のペンタクルに呪われてやがる!
アウトだアウト!!ペンタクルはアクマの印!!こいつ奴等の…千年伯爵の仲間だー!!」
とりあえず、お前が落ち着けや門番や!!
つか、ペンタクルって何だろ?呪われてる?んーわけ分からん!
そこらへん神田に聞こうと座っていた方向に顔を向けてみる。が、
「神田ー…っていない、どこに…!何してんのォオオ!?」
神田は六幻片手に、窓に足をかけていた。
「み・身投げ!?早まっちゃ駄目よ!降りてきなさい!早く、さぁ!」
「まだ安静にしていないと駄目ですよ!」
それでも神田はじっと下を見ていた。あぁ、私のせいで自殺だなんて…後味悪い!
こうなりゃ、意地でも食い止める!
「神田待って!!」
私は神田の団服に掴まる、が!
掴んだ瞬間、神田は窓から飛び降りて…
私も一緒に投げ出されております。
あぁ懐かしの、空中散歩v
「イィヤァアアア!!!!」
「な!?なんでついて来てやがる!!」
「神田が身投げなんかするからよォオ!つか、止めてェエエ!!!!」
いまだ神田の服の裾だけに掴まってる!これだけ命綱なのぉ!!!死ぬ、死ぬ!今回ばかりは死ぬ!
ラビのイノセンスのときのほうがまだいくらかマシだったぁ!!!
うわ、髪もオールバックだよ。さんもうアカン、髪もオールバックだよ
「も、だめ、、死にます。。。サラバッ!!」
「アホ、もう止まった」
え、うそン。
私は恐る恐る目をあける、視界には…恐らく門番の頭。
でもそれ以上下がることはない…浮いてるよ?私…
「さっさと降りろ」
そっかぁ、神田が抱えてたんだーって、マテ。
なんだよこの夢のない私の担ぎ方はぁああ!!!!
俵ですか?俵担ぎなんですか?もうちょっと色気のあるのにして欲しかったよぅ!
「神田、俵担ぎは、やだぁー」
「文句言ってんじゃねぇよ、勝手についてきたお前がワリィんだからな。
だいたいお前…その口調はやめておけ、気色悪いぞ。気味悪いぞ」
「黙ってればズケズケと…。女の敵だよアンタ…」
とにかく神田から降りてみる。
くそぅ、女の子はね…オヒメサマに憧れてるのよ?分かる!?プリンセスよ!?
姫抱きとかして欲しかったよー!服着てたら神田、華奢な王子様に見えるんだから!
あ、でも神田が白タイツにカボチャパンツ?
すまん、それはそれで萌える!
さてさて、もう一度視線を眼下に戻すと…白髪の少年がこちらを見上げていた。
しかも口をポカンとあけて、だ。
うわー多分呆れてるんだよね、あれは。神田のせいだぞ☆
にしても…どこかで見たような…。
「ねぇ、神田あの子――」
「一匹で来るとはいい度胸じゃねぇか…」
神田、気がすごいことになってます。目が怖い!
コムイの勝手気ままさにストレス溜まった科学班メンバー並に怖いって!!
つか人、あれは人でしょう?なぜ匹!?そこまで知能が低下したのか神田やい!
殺気を放ちながら神田は六幻に手を掛けていた。
「ちょい待て神田!あれは人でしょう!?」
「門番がアクマだと判断したんだぜ?」
「イヤ、前も間違えてたし!」
門番はいまいち信用なんねぇぞ!
白髪の少年は、そんな神田の様子に焦っているのだろうか。
「ちょっ、ちょっと待って!!何か誤解されて…」
神田は彼の言葉を聞くこともなく、飛び上がり…
少年のところへと向かっていく!恋は盲目、ってこういうことだ!
って冗談言ってる場合じゃない!!!
「神田ストップー!!!」
という私の叫びも虚しく、神田は少年に斬りかかった。私は思わず目を覆った。
あぁ、哀れ少年…。止められなくてごめん!供養は必ずするから…神田が。
しかし何時になっても何の声もしないので、恐る恐る目をあけると
アラ、びっくり。少年が神田の六幻を受け止めていた。え、何でかって?
「な、なに…あの腕…」
その疑問は神田もだそうで。
腕に傷がついたのに驚いている
「お前、その腕は何だ?」
殺気は依然放ちながら神田がそう問うと、少年はおずおずと答えた。
「対アクマ武器ですよ。僕はエクソシストです」
「何?」
エクソシスト…!
「あーーー!!!思い出した!神田その子ダメ、エクソシストだよ!間違いなくッ
つーか、見てみて!その子の周りとんでる物体、黒姫にどこか似てるし!」
黒姫とは違う銀色のゴーレム、なのかな?良く見れば違うんだけど、やっぱ似てるんで…。
ということは、変態クロスの関係者っぽい!やだっ今日の私、冴えまくりっ!すごいよ、頭いいよッ!
「だから、なんだ?」
「なんだって、いってる意味が分からないの?馬鹿?」
「うるせぇ、分かるかよ!」
分からんのかい。似たタイプのゴーレムだぞ?神田のゴーレムとは違った独特な奴!
それでも理解に苦しむ神田の怒りの矛先は、門番に向けられる。びくつく門番A。
「門番ッ!」
「いぁっ、でもよ、中身がわかんねェんじゃしょうがねェじゃん!」
アクマだったらどうすんの!?
焦りながら続ける門番。私のときもアクマだとしてたくせにー!!
そう言われた少年は必死に弁解しようとしているが、門番は叫び散らすだけ。
そんな二人のやり取りを、上からだが見下ろしている私。
立ち上がれないのはビビッてるからよ、文句ある!?
「そーんなこといって!私のとき酷い目に合ったんだから!
何より私は彼を知ってるの!神田のときと同じよ、名前ぐらいなら覚えてる!
そう、君の名前…アレン・ウォーカーでいいよね?」
「!なんで、僕の名前を…」
ふふふっBINGO〜〜!!!!やったね、!冴えてます!
「その子、間違いなくエクソシスト!さらに言うなら…こっちは微妙なんだけど、変た」
「ふん…、まぁいい」
ちょっと、私の推理を邪魔しないでよバカ!
今めっちゃかっこいいところを見せびらかすチャンスだったのに…!
だけど阻止しようにも、降りれないんじゃどうしようもないわ、ボケ。
神田は……六幻構えてらっしゃる。…何する気だ!!
「中身を見ればわかることだ」
そして六幻を発動させて…!って中身ぃ!?
中身って斬った後に出てくる中身でしょ!アレは人間、斬ったら出てくるのはそりゃ…ね?
とても放送できるようなものではない、モザイクかけられるような…!ヤダヨ!
斬りかかろうとする神田にアレンは早口で
「待って、ホント待って!僕はホントに敵じゃないですって!クロス師匠から紹介状が送られてるはずです!!」
そういうと、本当にスレスレで止まった。あ、危なー…!
「元帥から…?紹介状…?」
「そう…紹介状…、コムイって人宛に」
コムイさん…どうせまたあの山積みになって紛れ込んでるんでしょう!
私がドイツに言ってる間も絶対溜まってて、リーバーさん困らせて!
挙句の果てにはリナリーに殺されかけて…!
と・とにかくだ!
「バ神田ー!!なんつぅことしてるの!人の話を聞かないの、アンタの悪い癖なんだから!」
「あ!?テメェに言われる筋合いねぇん…」
「あるわよ!いっつも私のいう事無視してるんだから!話を聞いて!
彼の周りに飛んでいるゴーレムは黒姫に若干似てる、つまり…クロスが作ったものなんだから!」
私はまだ情けない格好のまま、アレン・ウォーカーを指差した。
「つまーり!変態、いやクロスの知り合いじゃない?」
私がそういったのと同時に、門番に開門の命が下った。どうやら教団は、アレンを認めたらしい。
やっと一息がつける…と思ったのに、神田はなかなか刀を下ろさない。
かすかに聞こえる、神田のゴーレムを通したコムイさんの楽しんでるような、無責任な声。
『待って待って神田くん』
「コムイか…どういうことだ」
神田はジロリとゴーレムを見た。
『ごめんねー早トチリ!その子クロス元帥の弟子だった!ほらー謝ってリーバー班長』
『オレのせいみたいな言い方ー!!!』
リーバーさんの嘆きが聞こえた…。
とーにかく、大丈夫そうだよね…。
と、思ったその時、また問題発生!
ドンッ!!
何か頭に鈍い感覚が、何かが落ちてきた感じ。
安心して力が抜け、身を乗り出していた状態の私は…そのまま、
落 下 。
なんやねーん!!!こんな時には…!
意外に頭は冷静な私を褒めてください!
「イノセンス発動、『神空』…二龍『風』護ノ風!!』
槍を下に傾けると…私を中心に風が取り巻くように吹く、そして一時は浮く私の体…だけど。
私の体力にも限界。…風の壁が消えていくと…目の前にはリナリーが。え、なんでリナリー?
「もう大丈夫よ、v」
「ど、どうしてリナリーが?」
「このまま下に落ちて言ったんじゃァ、あの女男か得体の知れねェ白髪野郎がキャッチしちゃうじゃない?
そーんな汚らわしいマネ、させたくない、つかさせるかボケが!うふvだから私が直々に抱いてみたのv
というより私ずーーーーっと居たのよ?ずっとを見守っていたわ!あーんなも、こーんなもv
あとあと〜v新米探索部隊のティキン野郎はヌッ殺して、跡形もなく消し去っておいたわv」
「ゴズーーーーー!!?」
「うふふ、冗談よ!ったら可愛いわっ」
リナリーが言うと冗談に聞こえない!
「まぁ、さすがに?抱きしめたんだから、それなりの対処はしたけどよ…ハッ」
ゴズ…!
まぁ…一番の安全策だよね…そりゃ。
ふわりと地上に降り立つと…そこには情けない顔した二人の姿。
そして…
元気に舞い踊る2体のゴーレム。その一体は…
「んな、黒姫ェ!?」
「ティムキャンピー!」
さっきまで眠っていたかのように動かなかった黒姫がいる!
もしかしてさっき頭に当たったのは黒姫だって言うの!?
あと、もう一匹は、アレンが呼んだように…ティムキャンピーというらしい。
「この、バカゴーレム!私が危うく死に掛けたのに、何嬉しそうに踊ってるのよ!
死の舞いか?喜んでるのか!人が危険にさらされてたって言うのにー!!」
と、とにかく!なんで急に元気になったのかは置いといて…
「神田、刀は下ろそうか。アレンはちゃんとしたエクソシストで、クロスの弟子なんだから」
『そうそう♪ティムキャンピーが付いてるのが何よりの証拠だよ。彼はボクらの仲間だ』
そういうコムイさんの横で、小さく悲鳴を上げているリーバーさん。
大方…、リーバーさんのマイクを奪いつつ話してるんだろうね。
「というわけだ、さぁ神田!その刀を下ろせ!」
「はっどうだかな!呪われてるやつだぞこいつは」
依然刀を下ろす気のない神田に痺れを切らしたのは…
ドゲシャッ
「が言ってんだ、さっさとそれ下ろせや、アァ!?」
我等がクイーン、リナリー・リー!
リナリーはスカートでも気にせず、美脚から繰り出される必殺技を
神田はモロ脳天にくらった。撃沈された間だの様子を見ると
どうやらリナ嬢のスカートの中を見る暇すら与えられなかったご様子。完全ノックアウト!
その場は一時、静まり返ってしまった。
「ッおいテメェ!なんてことしやがる!」
しばらくの後、復活した神田が勇敢にも無謀にもリナ嬢につっかかっていく。
「何言ってるの?私何かしたのかしら?そうね、覚えていることは…どっかのパッツン男女が任務から帰って
私のところに挨拶も来ず、愛しいを引っ張りまわして殺してぇ衝動に駆られてたってことかしら…
アラ、神田。身に覚えがありそうね?あるんでしょー…え?どうなのよ、神田ァ!?」
有無を言わせないリナリーの発言力は…きっと国家権力をもしのぐでしょう!
「あの、さ。とりあえず…中に入れてあげようよ、アレンを」
「はっ!…!私としたことが、うっかりしてたわ!
うふふ、のいうとおりね、こんな屑野郎放っておくわ!さ、中に入りましょう!」
ということで、踊り狂っている2体のゴーレムを
安全(?)なティムキャンピーを動かすことで誘導しつつ
私たちは中に戻った。
追記、アレスティーナにジンマシンができたもようです。痒いらしいが掻けないらしい…
誰か優しい愛の手で、掻いてやってください。