「覚えてない」 これは本当だった。 いつの間にか、適合者になって、発動して アクマを倒せる力を扱っていた。 でも、俺はエクソシストであり、『ブックマン』なんさ。 よく、ジジィにはいわれる。たまたまこちら側にいるだけだって。 だから心なんて、感情なんて必要ない。 でも、なんでさ? の役に立ちたい、そう思うのは。。。 僕らの黒きお嬢 おはよう!こんにちは!こんばんは!「今日のOSARAI」コーナー始まるよー! 気絶して目が覚めれば、そこは落ち着きのある天国…かとおもえば 血塗れ(お馴染みのゴーレム)の牙によって現実に戻されました。 その後、スーパーマンパッツン☆(命名)の神田が駆けつけ 私はコムイさんのいるところへと向かうのでした…が。 そこで待っていたのは死にそうな科学班メンバーとイキイキしたコムイさん かわいそうな科学班のかたがた横目に、私はイノセンスの発動方法をコムイさんと考える…。 そしたら、またどっから入ってきたんだろうか、謎のラビが登場。 大したアドバイスもせず、ふざけやがりましたので…槍にて地に伏せさせました。ご臨終ッ。 その後、神田とラビのお馬鹿コンビひきつれ食堂へ! そこで待っていたのは、ここにきて何人目であろう、危険な人物、ジェリーさん 彼女(?)は危ない。私の本能がそう告げた。 翌日になれば、着たくもないミニスカ団服がお目見え☆ 絶対コムイの陰謀…とおもいつつ、それしか道がなく渋々着ることに。 着替えてつれてこられた場所は… コムリン地獄!再登場です…呼んでねぇ…! 容赦なく迫り来るコムリンに、ついに私のイノセンス『神空』が発動!!ヤッタネ私!! そんなこんなで、またコムイさんについてくるよう言われたのです…が。 「また地下ですかい?」 「気にしないで、ちょっと調べものだよ!」 「はぁ…」 逆ピラミッド型の乗り物に乗り、どんどん下へと下がっていく。 薄暗いその場所は、なんだか怖い。隣にいる、コムイさんも含め。 「…着いたよ」 「は?」 着いたといわれた場所、さっきと変わらない風景…が。 急に暗転し、真っ暗。 「げ、なんですか!?」 ――それは神のイノセンス。全知全能の力なり――― ――またひとつ…我等は神を手に入れた…――― 「キチガイ?」 「…コホン。ボクらのボス、大元帥の方々だよ」 「大元帥…あの変態、クロスみたいなの?」 「さらに上の方さ。…さぁ、ちゃん、キミの価値をあの方々におみせするんだ」 「え?」 ふわり 私の体が浮いた気がした。 謎の触手が私の体に触れてきます、私は興味ないぞ!そっちの世界には!! 解こうにも解けない… 「くぉら!コムイさん!どうなってるの!?」 叫んでも何も答えないコムイさん。放置決定のもよう 「離して、離せェ!こんの!!!」 私は手の中から槍を発動させる。 「発動して!「神空」!!」 小さな棒は、形状を槍にしようとするけれど…不安定な状態のまま触手に取られていく! 「なんでやのーん!!!」 触手はどんどん絡まっていく、どうしよう!どうすればいいの!? 気持ち悪…なんか、体の中に入って…! 「ッあ!!」 コムイ、呪ってやる。今の自分…いやらしい…だめ、なんなの…! 怖くて…呼吸が乱れ始める。怖い、怖いッ!! 「落ち着いて…私は、敵じゃ…ない」 おでこに、何かが当たるのを感じた…。なんだろう、温かい… どこかで感じたことの有る…これは 「イノ、センス…?」 「1%…2%…4%…8%…………じゅ、16…いや17%…か?」 「聞くな?ッなん、なの!?」 スッと私の体が解放された。あぁ、マジで助かりました。 世界の果てが見えました。三途の川で私の先祖が手招いてらっしゃいましたよ。 「どうやら…17%が、今のお前と武器との…シンクロ率の最高値だ…」 私の手のひらに、槍が元の形に戻って帰ってくる。 それにしても、シンクロ率ってなんだろう? 「シンクロ率って言うのはね〜対アクマ武器発動の生命線となる数値のことなんだよー」 「オイコラ、くそコムイ!!心、読んだ?」 「てへ☆ゴメンネー!、さ、ヘブ君!続き続き♪」 いい年こいて、何をいけしゃぁしゃぁと…! 「シンクロ率が低いほど、発動が困難となり適合者も危険となる…」 「私の場合は…低いのね…」 「……頑張ってくれ…」 「あ、やっぱ低いんだ…;」 「…お前のイノセンスはお前の大切なものを護り、笑いを…ッ…すまない とにかく、やがて来る黒の世界で…異世界を超えた強き力となる……といいな」 「おい、バッチリ聞こえてるぞ、最後!お前の希望かヘブさんやい! それに、笑いをなんだ、つかアンタ笑ってたわね!笑ったー!!」 ヘブ、あなた何者なんですか?その表情からは何も読み取れないのに…笑ったでしょ 見たわ、聞いたわ、なんやのーん! 「ちなみに、ヘブラスカもエクソシストなんだよ」 「いぃ!?ヘブっち、エクソシストだったんだ!」 「ヘブっち…いいな…、 お前たちとはだいぶタイプが違うがな、エクソシスト、だ」 「ヘブラスカって意外に照れ屋さんだったりする?」 ますます、謎が深まりますけど…ヘブっちやい! 「、お前に神の加護があらんことを…」 そういってヘブラスカは消えていった。というより、私たちが元の場所に戻った…。 「やぁーちゃん!すごいじゃないかー! ヘブラスカの『預言』はよくあたるんだから!期待できそう♪」 「コームイ、さん♪ゴーレムとイノセンス、どちらが好きですか?」 私は、頭に乗っているゴーレムを指差しつつ言う。 「うーん、折角だけど怖いからやめとくよ。ゴメンね、いきなりで驚いた? でも、入団するエクソシストは最初にヘブラスカにイノセンスを調べてもらうのが規則なんだ♪ それにしても怖かったんだねぇ、分かるよーヘブ君顔怖いもんねぇ」 「顔は怖くない、今も!私が怖いのは、あんたのその性格です! 大事なことは最初に言っといてください、コムリンの時もそうだったんですけど!!」 「アハハ、楽しいじゃないか!ボクが」 アンタの娯楽の生贄かい。 「まぁ、キミはイノセンスの適合者だ。何があろうとも、ね? 一緒に世界の為に戦ってくれるかい?」 「…拒否権は…」 「あ、拒否権ってなんだっけーボク分かんないvってことでよろしくね!」 「(この道しかないじゃないか…;)よ、よろしく…?」 半ば強制的に、よろしくしちゃったよ。。。 あ、でも重要事項。私戦えないよ。戦闘経験ないもん。 いくらイノセンスがあっても…形が槍なんでしょう?使ったことないべ それに…アクマ。あれと戦えって言うんだから…たまったもんじゃない。 逃げる?でも、逃げちゃ駄目でしょう?困る人がいる…かな? とりあえず、できることだけやっていかないと! + コムイさんの部屋まで戻ると、あの見慣れたバンダナが…ッ! 「ラビッ!」 「うぉ!何さー俺に会いたかったん―――ゲフォアッ!」 そのまま顔面殴ってやりました。クリティカルヒット! 吹っ飛ばすことはできなかったけれど、不意をついたので相当よろよろだ! 「アンタ…よくも私を生贄にッッ!」 「な、なんのことさ!」 「コムリンよ!一度コムリンに殺されかけてたのに…アンタは!!」 「だって、だってなんだもんっ…さー」 「死にさらせ!」 「ぎゃー!!ホンマすいません!!ちゃぁああん!」 とりあえず、ラビは生ごみの日に出しといてください。あとでジェリーさんに頼んでこよう。 「とにかく、無事発動できたみたいだな!」 「まぁ、一応…シンクロ率が低いんだけどね…」 「ほほぅ、でもそれは訓練で何とかなるさ!頑張らねェとな!」 にっと笑うラビ。さっきまでは憎らしかったのに…もーどうでも良くなった。 ラビは何だかんだで、考えてるんだよねぇ…多分。 「へーい……あ、そういえば!コムイさーん! クロスさんから連絡きてたんですよね?手紙とか…あります?」 「うーん、残ってるといいけど。どうしてだい?」 「この血塗れ…ゴーレムの情報が欲しいので…」 「それはそうだね、ボクらでも分からないから…」 コムイさんは、恐らく自分の机であろう場所を見た。 って、ちょっとまて。 「蜘蛛の巣―――!!?」 「滅多に掃除しないからねぇ…、でも最近の手紙だし、見つからないことはないだろう…っと ホラ、見つかったよー!クロス元帥からの手紙…読むよー」 蜘蛛の巣が気になるけど……。コムイさんのほうに耳を傾けた。 『コムイへ、あるイノセンスの適合者の女を見つけた。すでに武器化はしてある。 後は何とかしておけ Byクロス』 …やっぱ無責任だ、あの変態。 でも、ゴーレムに関してはなーんも… と思ったら、封筒の中に、もう1枚発見! 「コムイさん、もう1枚ありましたよ!」 「ふむ、じゃあ読んでー」 『追記だが、ゴーレム1匹を作って付けておく。名前は「黒姫」だ。 俺の陰口とか言うやつには容赦ないから、頼んだ』 「こっき?…うーん…“血塗れトンカチ二世”でいいじゃない… うわっ!やっぱ黒姫なんですね!スイマセンスイマセンスイマセン!!」 そういうだけで、牙がお目見え☆ 姫っぽくないじゃん!強暴だし、それに黒って…いい名前の癖にミスマッチだよ! 「ずっと思ってたけど、なんで『血塗れトンカチ二世』なんさ?」 「…クロスに殴られたのが、血塗れたトンカチで… その後、コイツクロスに関しては噛み付いてくるから…恐怖心のあまり…」 「…辛かったんさー、…」 分かってくれるか、ラビよ。 とにかく、今日からこのゴーレムは黒姫、というわけで…。 みんな、クロスの悪口は言わないようにいたしましょう☆ 「さ、ちゃん。今日は何もないしー自由に行動していいよ!迷子にはならないようにねー!」 「ははは、なりません!記憶力には…自信があるんですよ!」 「なんなら、俺が案内しようか?」 「いーや、大丈夫だって!じゃ、失礼しました!」 と、ラビの言葉も承諾せず、部屋を出て数分後。 「…………迷っちゃったv」 シャレになりません。 同じドアがいくつもならんでるんですよ!? あり得ない!アリエナーイ!!! とりあえず、自分の部屋に戻ろうと思ったけど、どこか分からない。 じゃあ昨日言った食堂!でもここがどこだか分からないと、どうしようもない。 完全に迷子じゃねぇの、自分 「…すんませーん、誰かいませんかー」 もちろん、誰も答えてくれるわけがない…寂しいよ、 「…どこでもドアがあったらいいのに…はぁ」 このまま帰れない、ってことはないはず! 誰かは通ってくれる、きっと!だけどそれはいつなんだろう。。。 「…黒姫―は、科学班のとこにいるから・・・アカン」 リーバーさんから聞いた話だと、ゴーレムは一定の範囲内の通信が可能で、 公共の電話回線からなら、本部との連絡も取り合えるとのこと…。 あ、でも本部内はどうなんだろ 「ハァ、とりあえず歩くしかないよねぇ」 私は下へ下へと降りてみることにした。そのうち門にたどり着いたりして… とか考えててたらなんか水路に出てきちゃいました そういえば、地下水路から来ることができるとか言ってたような… うわ、とんでもないところに来ちゃったよ私!!! 「も・戻らないと…」 私は踵を返して戻ろうとしたら・・・!! 「何してるの?」 後ろから、声が、聞こえた。 「スイマセンッスイマセンッ!私入団したてなもので 調子こいて迷子にならんだろうとか思ったら迷子になって気付いたらこーんな所まで来ちゃいました! いえ、決して!決して不法侵入とかじゃないでコムイさんとこには連行しないで!!」 「えっと…、もしかして?」 「はひ?」 恐る恐る後ろを振り向いてみた…ら! 可愛らしい少女が1名!確か、この子は覚えがあるぞ! 「リナリー…さん?」 「あ、私の名前知っててくれたの?嬉しい!」 「えっと、コ・コムイさんから!」 苦し紛れに言う。最初から知ってました☆とかいったら 世界の果てまでドン引きされそうな予感がしたもんで。 「兄さんから聞いてたの?もう、兄さんったら!」 ……は? 兄さん? ブラザー!!!!? 黙れ 「お・おおおおお兄さんだったのですか!?」 「えぇ、私は妹よ。リナリー・リー、兄さんはコムイ・リーだもの」 どうりでコムイさんの顔に見覚えがあったわけだ…。 あの変人の妹が、こんなに可愛く愛らしい少女だなんて、想像したくない。 いっそ、あり得ちゃいけないんじゃねぇのか!?コムイを消しとく? そうしましょう、きっと世の中は平和になるさv 「うふふ、可愛い女の子が入ってくれて嬉しいわ! だって、教団って女の子が少ないから…助かる!」 「私も、です。初っ端から痛い目を見たので… リナリーさんのような目の法楽となる方がいると心強い!」 「兄さんから聞いたんだけど、歳変わらないんでしょう?砕けてもいいわ」 「じゃぁ…リナリー?」 そういうと、大きく頷いてくれた。やっべ、マジ可愛い!! 「それにしても、あなたがあのだったなんて…」 「あの、って?」 「だって神田が連れてきてくれたんしょ?神田っていう事聞かないし、無愛想で強引だから よく逃げたりとかうっかり殺しちゃったりしなかったなぁって思って」 うっかり殺せるものなの?というよりリナリー、笑いながらなんか違うオーラ出てます。 「強引、というよりただの馬鹿だよ、あれは…。 こんなこと本人に言ったら、刀の錆にされちゃう…」 「ふふっ、あんな馬鹿を相手にしないようにしてね? 大丈夫!これからは私がいるから!…神田なんか頼らなくてもいいわ!」 「そ・そう?心強いね」 リナリーに、なんか黒いものが乗り移っている気がするのは私だけでしょうか? 「さて、とりあえず行きましょ?はどこへ向かう途中だったの?」 「……じ・自分の部屋…デス」 「…迷っちゃったのね」 「イエス。。。」 ということで、リナリーに手を引かれ歩いて数分。 いつの間にか、科学班のところに戻ってきていた。 戻った瞬間、マイゴーレム黒姫がパタパタと飛んできて、 珍しいことに、大人しく私の頭に納まった。 あぁ、でも口の周りに紙くずついてるらへんから、 書類を食い散らしてたんだね、アンタ。 そうシミジミ思っていると… 奥の方で何かを感じた。うん、何かが発している・・・ 「リナリー、何かイヤな予感が…」 「リィナァリィィィイイイイ!!」 やっぱお前だったか!コムイ!!! コムイは書類ぶちまけ、人を投げ飛ばし、涙鼻水たらしながら リナリーに向かって走ってくる。 一方のリナリーは、笑って…まさか、コムイさんを受け入れちゃうの!? と思ってたんだけど。 「ただいま、コムイ、に・い・さ・ん!」 と笑顔ながらに、 その美脚から繰り出された踵落としによって地に撃沈させていました。 恐るべし!リナリー・リー!! 「相変わらず、素敵だ…リナリー…!」 「うわ、マゾがいる!マゾ!」 「全く、そうやって心配してくれるのはいいんだけど…本当は迷惑よ、ボケが 任務から帰ってくるたびにそんなに飛びつかれても、すこーし困るわ」 リナリー…分かったよ。私君の性格が分かったよ。 お腹が真っ黒なんだね あんなに可愛い笑顔の裏には、本物の悪魔の姿が見えます。 「まぁいいわ、兄さんの部屋どこ?」 「え?あーそれだったら神田君の部屋の2つ右隣だよ」 「よりによって神田の部屋の近く!?あ、ううん、なんでもないわ。 ちょっと邪な考えが浮かんじゃったvけど、抹殺とかは絶対しないから!!」 アンタならしかねません、黒リナ嬢。 「でもどうしてそんなこと聞くんだい?まさか、ちゃん… 迷子になっちゃ…ゲフォア!!」 今度は何が起こったのか分かりません。早業だった、瞬殺だった!! コムイさんが綺麗に孤を宙に書き、書類の山を越えて消えていった! 「…女の子のヒミツよ、兄さんv、行きましょう?」 「えっと、コムイさん…平気?」 「大丈夫よ!兄さんの生命力はゴキ●リ並みなんだから!」 自分の兄さんゴキ●リ扱いするとは、どれだけ男気溢れてるんだリナリー! とにかく、私は爽やかな笑顔のリナリーに連れられ 部屋への道を辿った。 「…私の部屋は、ココから少し遠いの。だけど何かあったらすぐ駆けつけるから!」 「何かって、何も起こらないよ…。ここ教団だし」 「狼は潜んでいるわよ。男は皆そうなの」 「…誰からの知識だ、リナリー」 乙女の秘密☆とか言ってのけてる彼女ほど 恐ろしいものはないでしょう。ウン、絶対ないわ。 「…あ、ここが神田の部屋よ。…見れば見るほど、ウザイぐらい近いのね…」 「ほんとに、近い、ネ」 「…チッ、じゃあ私仕事まだ残ってるから戻るね?」 いま舌打ちしましたか、姐さん!? 「よかったら夕ご飯一緒にどう?私迎えにくるから!」 「あ、うん!一緒に行こ?」 「ふふ、じゃあ待っててね」 そう言って、辺りに可愛らしい花を撒き散らしながらリナリーは走っていった。 良かった…腹黒いところだけ目を瞑れば、付き合いやすくていい子だ!…安心した。 なんてったって、あの雑誌で萌えを感じた少女だったんだから!(腐女子発動) ほっと、息をついて…私は扉を開け部屋に入った。 とはいうものの、大人しく待っていられないのが私でありまして。 「…何もすることがない。」 こういうとき、どうすればいいんだろう…。 そうだ、イノセンス!イノセンスをどうにかしないと! あの時、小さな棒になったままで私は団服のポケットに入れている。 だけど、私のことだ。迷子事件により、いつかは落とすかもしれない…。 私は机から、何かいいものはないかと探し出すと、ちょうど紐みたいなものが出てきた。 「あ、これいいかも!」 ということで、イノセンスを取り出し、小さく穴があいている部分にそれを通し 「見事、首飾りのかんっせー!!!」 首飾りにしてみました! これを首にかけていれば、絶対落とさないでしょう!私凄い!天才! なーんて、一人で盛り上がってても仕方がないや。 やることも終わってしまえば、嗚呼、暇。 大人しくしている黒姫をベッドに下ろし、観察してみる。 よくみれば可愛い球体生物、なんだけどな。 どこにあの鋭い牙が隠れているのか教えてください。 そんな黒姫を見ていたら…なんだか眠くなってきた…。 今日もいろいろあったから、なぁ。。。 + ガタン その物音で私は目を覚ました。 気がつけば、窓から漏れる日の光は消えていて、真っ暗だった。 ここ、音が響くんだな…。もしかして神田、帰ってきた? 私は部屋を出て、神田の部屋の方向を見た。 するとそこには… 「ちょっ、神田!?」 扉にもたれかかって、ぐったりとしている神田だった。 ま・まさかとおもうが…コムイさんの実験台になった? いや、そんなことより! 「大丈夫!?」 私は神田に駆け寄った。 「…てめェ…どっから…」 荒い息遣いの神田は、あの神田とはとても思えないほど弱弱しく感じた。 「ちょっと、どうしちゃったの…、任務でやられたの?」 「なんでも、ねェよ」 「なんでもなくないじゃない…!熱あるんじゃないの?」 「うるせェ…」 人が心配しとるというのに、アンタ… 「部屋に連行します」 「?」 「部屋は―開いてるわね」 私はお構いなしに神田の部屋の扉を開けた。 かといって、神田を姫抱っこできるほど、私に力は無い。 あったらよかったのに…萌えるシチュエーション… 「とりあえず、立てる?私の肩に捕まって…」 「放って、おけ!」 バシッと私の手を跳ね除ける神田。 、ついに。 ブチッ 「放っておけるか!ドアホが! 目の前で苦しんでいる人を見捨てろと言うんかいアンタ! 四の五の言わず、肩に捕まって!さもないと、私のイノセンスの餌食にするよ!?」 神田はそんな私にびっくりしたみたいで、少しだけ目を開いた。 私はそんな神田に構わず、腕を強引に私の肩にまわし、立ち上がらせた。 こんなにも、自分勇ましかったっけ…まぁええか! 神田の部屋は、シンプルすぎた。 私物はほとんど見られない。水で満たされその上に蓮が浮かぶ容器がポツンと置かれている以外は。 窓は割れてるし…ホンマすごいなこの部屋; 神田をベッドに座らせ、コートを脱がせる。 というかほぼ私が追剥ぐ形だったけどね。 そこまでいくと、神田ももう限界なのかベッドに体を預けた。 「…ふぅ、私誰かを呼んでこようか?」 「…」 「なんか飲物とかはいい?」 「……」 無言の神田。私は「欲しい」と、とったぞ。 夕飯までは時間があるし、リナリーはまだこないよね…。 リナリーが到着したら恐らくここは戦場になる 私は、神田の部屋を後にし、急いで食堂に向かった。 今回は迷わず真っ直ぐいけた。 「ジェリーさん!お水と…あとおかゆ!少し作ってもらえる!?」 「あら、ちゃんじゃないのぉ!相変わらずス・テ・キ・よv」 「アハハ、あ・ありがと!それより急いでくれない?時間がないの…」 「ちゃんの頼みとあらば、急いで作るわよ!」 本当にあっという間にジェリーちゃんは作ってくれた。 軽く礼と、また来ることを告げて早々と神田の部屋へと戻る。 まだ、リナリーはいない…よかった! 「神田ー!水もらって来た!あとおかゆもー!」 「…あぁ」 「水分はとりあえず取って、で、食べれるんだったらおかゆもね。 任務帰りなんだからろくなもの食べてないでしょ?」 はい、と水の入った容器を手渡す。 神田はそれを一口含み、私に返した。 「……」 「私、神田の2つ隣の部屋だから気にしないでいいよー …つっても、そろそろリナリー来ちゃうから。あ、おかゆ食べる気になった?」 神田は無言で頷く。 私はスプーンでそれを掬い、神田の口元に持っていく。 「はい、アーンv」 「!」 神田が命一杯拒絶した。そこまで必死にならなくても… 「せめてこの一口だけ…!」 「……」 「ね?いいでしょ!これ終えたら大人しく見守ってるから!」 「…ッ」 神田は素早くスプーンの上のおかゆを口に入れた。 神田との夢のコラボです、ママン! 熱の所為でもあるんだろうけど、頬がうっすら染まってる…あぁ萌える それ以降は黙々と食べていたので、食欲の方は大丈夫そうとみた。 「…うし、水は置いとくね。食器は持ってくよ」 「…」 「じゃあ、私行くから」 そう言って、神田の部屋を後にしようとしたとき、 くん。 団服がつっかえたように感じた。 後ろを振り向けば神田が、私の団服を掴んでいた。 え、傍にいて欲しいの?神田チャン! 「……」 「は・はい!」 「…わり、ィな」 「あ、……ううん!気にしないでよ!助けてもらったお礼だと思って!」 なんだ、この胸のドキドキは…。恋する乙女か私は。 「とりあえず、寝た方がいいよ?ね?」 私は神田の手を元に戻した。 「じゃあーね?」 今度こそ、神田の部屋からでた。 パタン、と扉を閉めて…一呼吸。 「ふぅ…なんだったんだ、私」 「、神田の部屋にいたの、ね?」 お母さん、私は阿修羅をみました。リナリーです、黒笑携えたリナリーです! 「あれほど、気をつけなさい…って言ったのに…!何してたの?…!ま・まさか 嫌がるに、迫り来る神田…挙句の果てにその貞操がッ!!」 「いやいやいや!何もないって、リナリー!神田が熱出しちゃって…その看病してただけ」 「そうだったのい………チッ、殺す理由が出来たのによ」 聞こえてるぞ、リナリーよ。 「じゃあ、どうして顔、赤いの?」 「…へ?」 リナリーに言われて気付く。 「顔、赤かったの?」 「気付いてなかったってことは、大したことなかったのね。 よかった!あのパッツン野郎の毒牙にかからなくてv」 「あー…まぁ!まぁいいじゃないか!リナリー、お腹すいたし…行こう?」 「うふっ、そうね!行きましょう?」 それから、1週間。神田が寝込んでしまったらしい。 聞けばなにやら黒いオーラが、神田を包んでいたとか…。 リナリー、アンタ何したの!? 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