任務で「イノセンス」の回収といわれて向かった先、 イノセンスにはすでに適合者がいた。 名前は、。俺と同じ日本人…。 だが、どこか違う雰囲気を放っている。 なんだ、こいつは…。それに俺も、どうしたっていうんだ。 何であの時―――守った? 謎の生命体X とりあえず、こんにちは!前回のおさらいをしようとしてみまSHOW!(何このノリ) 厄日を乗り越え、大雨の中、現代日本の自動販売機事情に泣き、 疲れ果ててたどり着いたマイホームは開かず、唯一の癒しである某アニメ雑誌片手に 萌えを感じていましたが、どうやら謎のエセ赤毛変態仮面修道士クロスによー分からん世界に召された模様です。 というよりこれはD.Gray-manの世界じゃあないですか! そして私が『イノセンス』の適合者だーとかなんとか…またわけも分からず仕舞い。 終いにゃ恐怖の血塗れのトンカチで私は気絶させられて、目が覚めれば 馬鹿の最先端を逝く、日本男児もといツンデレ王子の神田が登場☆ トンカチの次は彼の自慢の愛刀『六幻』を突きつけられ、私の頭は要領オーバー、パンク寸前! 謎の芸人、もといアクマの襲撃に彼はうろたえることもなく私を守りぬいて、 近くにあった像が、イノセンス―私の武器になるということでした。 よく分かりませんか?ごめんなさい、こっちも脳みそフル稼働させとんですよ。 ひとまず、『黒の教団』の本部に神田と向かうことになったわけで… 「ねぇーこの槍、通行の邪魔!」 「仕方ねぇだろう、簡単に壊れないと分かった以上そのままもって行くしかないだろ」 「あーもう!神田、交代して!」 「ふざけるな。俺が持つとそれこそ面倒だ」 それもそう、もう…この槍、私以外の人が持つと重く感じるらしい。 さっき道にこれを立てておいて、倒れたのを優しいお兄さんが起こしてくれようとしてたんでしょうけども 1cmも浮き上がってはくれない槍。私は自分自身に哀れみを感じた。 こんなに必死に頑張っても持ち上げられない槍を、か弱き女子高生が片手で軽々持ってるんですから。 あぁ、あの場所での周りの視線はかなり刺激が強いものでした…。 とある駅のホームで神田は電話らしきところに向かった。 今、ここは何時代なんでしょうね。電話があって兵器があって…。 とにかく、受話器でなにやら話す神田が、少しだけ可愛く見えてしまった。 本人に言ったらきっと愛しの六幻ちゃんで切りかかってくるだろうね☆ 「神田だ、イノセンスは無事確保した…。 いや、それが槍に…。クロス元帥がそっちに連絡を? 早く言え、そういうことは!…あ?既に武器化してあるのか…あぁ、分かった。…誰がそんなことするか!!!」 とまぁ、神田を観察してたんですが…突然ガチャン!と受話器を置いて スタスタと歩いていってしまった。 「ちょっと、ちょっと!急にどうしたの?」 「なんでもねぇよ!ついてくんな!」 といわれましたので、とりあえず止まってみました…。 神田は後ろを振り向かず、そのまま歩いていく…けど、 「ッッ!!」 すぐに踵を返して、戻ってきました☆ 「ンで、ついてこねェ!!」 「いや、さっきついてくるな言ったじゃん!」 「言ってねぇよ!」 「言ったわよ!何!君のその頭は何のためについてるのよ! その美麗な顔を見せびらかすためにあんのか!自慢か!コンニャロウ!」 「訳わからねぇこと言ってないで、さっさとついて来い!」 本当に馬鹿だ、この人! 自分で言ったことも記憶が出来ないほど、頭がやられちゃってるよ。 もう手遅れだ、末期だ。ご臨終です! 「あー!!神田って俺様っぽい!」 それだけ叫んで、神田の後ろをついて言った。 汽車がやってきて、それに乗り込む私たち。 つーか、汽車とか…もろ現代じゃないよね…。 「本当に違う世界なのかぁ」 思わずそう呟くと、神田が食いついてきた。 「違う世界?どういうことだ?お前は日本人だろ」 「まぁー…いって信じてもらえるか分からないし、言わない」 それだけ私が言うと、窓の外を見た。 神田はたぶん私を見てる、つーか凝視してやがります。 なんですか、私は魚売り場に売られてる魚ですかね?品定めされてるよ…。 見なくても分かる、なんだか物凄いオーラ感じるよ…ほら、凄い鳥肌☆ 「…ちょっと、人を品定めしてるような目で見るのやめてくれない?」 「見てねぇよ」 「いや、あからさま見てるよね?」 今の君、視線だけストーカーだよ、神田君! 一歩間違えば警察沙汰ですから!戻っておいで! 「ふん、自意識過剰な女だな」 「はい!?」 「…話は聞いてやる。お前、嘘をつくのヘタそうだからな」 …ということは…? 「信じて…くれるの?」 「…チッ、さっさと話せよ。俺の気が変わる前にな」 神田はフンッと視線を外した。私は、なんだか嬉しくて…御礼を行った。 「変なことの始まりは、いつも以上にツイてない日だったの―――…」 全部、洗いざらいを話した。 神田はそれを、黙って聞いてくれた半面…分からないところは質問してきた。 彼は彼なりに私の事情を理解しようとしてくれてる。 それがまた、嬉しかった。 「…つまりお前は、クロス元帥によって呼ばれた『異世界』の女、って訳かよ」 「そういうこと、になるのかな」 「…にわかに信じ難いな」 そりゃそうだ。これを簡単に信じる奴は、本当の馬鹿・アホだと思う。 神田は刀馬鹿でも、判断力はしっかり機能してる。良かったね、君にも取柄があったんだよ! 「…でも、お前は嘘…苦手だろ?」 「まぁ、すぐ顔に出るらしいよ。なんで分かるの?」 「お前単細胞っぽいからな」 …お前に言われたくないよ。 「…神田に言われちゃ私、この世界にいられない!」 「ハァ!?なんでだよ!」 「神田以上に馬鹿で、単細胞な人間いないと思うもん!」 神田はキッと私を睨みつけ六幻抜刀準備!すかさず私は冷や汗たらし謝罪する。 きっとあの抜刀は癖なんだ。それとも…私がアレに弱いと分かってか!? くっ、できおるな。馬神田の分際で! 「これ以上、俺を貶すような事言うんじゃねぇ!」 「やだ、ユウ!怖〜い!アタシ、泣いちゃう♪」 はい? 「テメェ…!」 「ちょっ!マテマテマテ!…私の声じゃないよね!?言ってない! って聞けや!ヲイ!抜刀すんなぁあああ!!」 「もうッ、怒らないで☆」 と、私と神田がその声のするほうを向きますと… 頭にバンダナを巻いて、眼帯つけてる…、いや容姿はどうでもいい!問題は!! 「「・・・・・・何処から来たんだ!?」」 いつのまにか、私の席の隣に座ってました!なにこの人!! 1回目の時は居なかったよね!?ね!? 「まぁまぁ!気にしない!ユウ、任務の帰り?俺も任務帰りなんさ」 「……ユウ、って?というより、お前は誰だ?」 「んー可愛い女の子連れちゃってさ、」 「お前も私の意見は一切合財無視なのか、コンニャロウ!」 第一、可愛いなんて…嬉しいじゃないか!お世辞でも嬉しい! だけど無視すんな! 「それで、自己紹介ね。俺はラビ、ブックマンの後継者なんさ」 「…本男?」 「…日本語に直したら…かっこ悪いからやめてくれい」 だって、私は日本人だしね! 「…ラビ。テメェ、任務帰りと言ってもここじゃねぇだろ。何しにきやがった」 「ユウ一人ずるいさ!可愛い女の子が持つイノセンスの捜索だったなんて!」 「名前で呼ぶんじゃねぇよ!!」 ほほぅ、神田って…『神田ユウ』っていうんだ。 いいこと聞いた!メモメモ…。 「俺はこの女がイノセンスの適合者だとは聞いていない!」 「えーでも、コムイが言ってたさ〜!ユウの任務は何か?と聞いたら 『クロス元帥が探し出したイノセンス適合者の女の子の捜索に行ったよ』って」 「コムイ…あの野郎ぶっ殺してやる!」 おい、平和じゃないぞ解決方法が! 「神田は私が適合者だって知らなかったもんねぇ…つまり、神田…遊ばれてた?」 「遊ばれてたんさ☆」 「テメェら…!」 また抜刀しようとする神田は、あえて視界からアウト! そういえば、ラビもあの雑誌に載ってたような…。今頃思い出した! にしても…タレ目だぁ、可愛いカモ。存在が謎に包まれてるけど…。 「そうそう、君の名前聞いてないさぁ」 「あ、そういえば。、見ての通り日本人!よろしく」 「つまり、!ヨロシクっすー」 あえて見ての通り、を強調したのはラビまで私を異国人種だと思っているかもしれないと踏んだから。 まぁそれはない。なんてったって…馬鹿は神田1人で十分でしょう☆ あれ、そういえば…どうみてもラビは日本人じゃない。なのに…日本語上手、だなぁ…。 というより、あの変態赤毛仮面(クロス)も日本語で……? ココ、日本じゃないよね。いくら明治時代ぐらいだとしても…汽車は在ったろうけども… 外国人がたくさん歩き回ってた時代じゃない…はず! 「…そーいえば、。英語上手さー」 「………はひ!?ちょ、ちょっと待てや!私が今話しているのは…日本語でしょう!?ねぇ神田」 「あ?英語だろ?」 バッサリ、斬られちゃいました どうして、私は完璧に日本語しかしゃべってない… 英語の成績だって、いいわけじゃないし。ペラペラ喋れるわけがない! 某英会話のレッスンに通ったこともないしね! あぁそうか。これは、 大人(作者)の都合、DA☆ という、見苦しい言い訳の声は無視して…。 私は日本語を話しているはず、なのに相手は英語に聞こえてる。まさか私…! 「最新式の翻訳機搭載のロボットだったとか!?」 「ねぇだろ、馬鹿。…どうでもいいだろうが、話が通じて――」 「よくない!!」 こんな異国理解があってたまりますか! 奇妙じゃない!日本語と英語で会話が成り立つなんて…っ! 「な、なんでさー?英語にしか聞こえてない…」 「神田がラビと話してるとき、英語だったの?」 「チッどうでもいいだろうが、そんなこと。…この馬鹿が日本語を分かると思えるのか?」 「馬鹿ってヒドッ」 「大丈夫よ、ラビ。神田以上に馬鹿な人はいないと思うから☆」 神田は抜刀してきたけど…もうスルー決定! 相手しなければ怖くない!怖くない…ウン(自己暗示) すると、神田も大人しくなりもうどうにでもなれという表情を見せた。やったね! 「そう、神田!ずっと英語で話していたの?私に会ってから、ずっと…」 「当たり前だ!だからあの時、お前が…に、日本人、じゃないと思った」 あー…でも、いくら英語で話そうが、顔で分かってほしいです神田君やい。 つまーり! 君の馬鹿は確定されたのサ☆ あえて、口には出さないけーどね♪優越感に浸りたいお年頃なの! 「ま、そこはどうでもいいとして!…どうしてか、さっぱり分からない」 「もしかしてその槍の影響かぁ?」 「この?」 私は以前私の横に立てかけられた槍を見た。 これに、そんな効果があっていいものなの? ほんと、謎めいた―――… 「…あれ?」 「どうしたー?」 この槍…さっきまで銅だったのに…ちょっとずつ、銀色になってる。 銅が剥がれて…その欠片同士がくっ付こうとしてる…。なんだろう、不思議…。 世にも奇妙な物語だ…。 「…?」 「あ、ううん。ゴメン…もしかして、この槍…元は銀色だったのかもって。 私が最初に見たときは銀色だったと思うからー…。ほら、今…この銅が剥がれて」 「本当だー!ユウ、ユウも見てみ!」 「あ?なんで俺がンなもん見なくちゃならねぇンだ!」 「いいから♪うぉ、なんかこの銅生きてるみたいさぁ!」 銅は、磁石のSとNみたいに、くっ付いて…ひとつになろうとして…。 ひとつに、なりたいのか! 「ラビ、神田!手伝って!」 「「?」」 「この銅、剥がせばなんか分かるかも!もしかしたらこれ変態仮面―クロスの陰謀かも」 「陰謀って…大げさな」 私は、槍に手をかけ剥がれ落ちそうな銅をはずす。 それはいとも簡単に落ちていって…まとまって…。 神田は手伝ってはくれないものの、ラビは丁寧に手伝ってくれる。 揺れる汽車の中、ひとつの槍に二人が集中して塗装を剥がすなんて…なんか貧乏くさい…なぁ。 「…これで最後!」 最後の1欠片を剥がし、改めてみた槍は…きれいな銀色で…あの月夜を思い出させた。 そう、あの変態に酷い目に合った…あぁ、寒気がする! 「!見てみるさ!銅が集まってなんか出来てきてるぞ!」 ラビの視線の先には…確かに何かが形成されてきてる胴が。 うわ、なんかアメーバ融合中みたいだーサイエンス映画かよ… 「…それ、ゴーレムじゃないのか?」 今まで黙っていた神田が、その様子を見て口を開く。 「ごーれむ?」 「ゴーレムっていうのは、エクソシスト同士の連絡に役に立つ、無線みたいなものさー。 中には特殊な機能を持ってるのもあるけど…、コレもそうなんか?ユウ」 「俺に聞くんじゃねぇよ」 無線って…生きてるのかよ…。怖いな、本当にこの世界…。 生きてるにしてもこう…目の前で復活してきなさるとは… 「…、ゴーレムは、壊れても自己再生できるからな」 「あれ?私が思ってること分かったの?」 「さっき言っただろ、分かりやすいんだよテメェは」 アハハハ、神田にいわれたくないよ!(本日2度目) それでその自己再生が終わったら…それは飛び回った。 「ギャーーー!!謎の生物が飛んでるよー!!!」 「うわっ、色気ないさ!」 「黙って!つか、何!私の廻り飛んでる!」 飛び回った挙句、私の頭にポスンと納まった。な、なんだったの…! 「それ、クロス元帥が作ったゴーレムみたいだな。同じ形の見たことがある」 「え?…これアイツのなの…、なんか、ヤダ」 そういった瞬間、髪の毛かみやがりました、このゴーレム。 「痛ッ!!なっ、歯もあったのか!つーか、痛い!頭皮まで歯が来てるって! その前に食うんじゃない!私の貴重な髪の毛ェエ!」 「はは!怒ってるんさぁ!きっと!」 「な、怒られる要素あったの!そうか、クロスが主人だったから!! …というよりラビ!笑ってないで助け・・・ッ分かった!ゴメン!痛いのは嫌だァ!!」 謝ったら、噛むのをやめてまた大人なしくなった…、あぁもうまじで勘弁です。 クロスに関わることでいいことなんて何もないじゃないですか…。 今日からこのゴーレム『血塗れトンカチ二世』と名づけてやるっ!! 「…もしかしたらこのゴーレムに翻訳機能がついてたんじゃ…?」 「多分そうだろうな、クロス元帥は放浪としていた。異国の言葉を解する能力ぐらい備わっていただろう」 「何気にいま、クロスの悪いトコ言ったね、神田…」 つか、放浪者だったんだ…あの野郎。 とにかく、この話題はもういいや… 「ねぇ、まだ着かないの?」 「いや、もう着く頃…あ、今着いたみたいさ!」 「あら、ほんと!」 話に夢中にあってると時間って分からないもんだね。 私は頭に載ってる『血塗れトンカチ二世(仮)』を固定して、片手で槍を持とうとした。 しかし、ここで神田の声。 「おい、ラビ。こいつの槍を持ってやれ」 「え、ちょ、神田?何言ってるの…。この槍はー」 私以外は持たないほうが!!! 「別に構わないさー♪」 「ラビ、いい!つか止めたほうがいい!!」 という私の言葉も無視して、槍を持ち上げようとするラビ。 案の定、ラビの腕が槍と共に地に伏せました。 「な・何!これ、凄く重いさー!!!!」 「だから止めたほうがいいって言ったのに! それ私以外の人が持つと凄く重く感じちゃうらしくて…。 神田!分かって言ったでしょう!?…つかもう居やしねぇ!!」 「それよかこの槍早くどけて欲しいさ…」 とまぁ、槍をどけて私は悠々片手で持ち、汽車の外に出た。 「ユウ、何気に根に持つタイプさ…」 というラビのボヤキを聞きながら。 見上げた絶壁、雲を突き破るぐらい…高くそびえたってる。 どこや、ココ…。 本当に『黒の教団』本部? 「嘘だー!胡散臭ッ!怪しさ満点じゃん!」 「ツベコベ言わずにさっさとついて来い、アホ女!」 「えぇこれ登るの?マジで上るの!?」 無理でしょ!高いよ!つか体力ないよ!いくらロッククライマーでも無理だべ! 「心配ないって!お兄さんがついとるさっ!」 「お兄さん…って、ヲイ。アンタと歳大差ないぞ」 「まぁまぁ♪ホレ、ココ握ってー」 「?」 突然何処からか出した、棒の先を握るよう言われて、 とりあえず握ることに。 「おい、やめておけ!ソレは――」 「え?」 「ユウは地下水路から来ればいいさっ!『大槌小槌…伸ッ』」 神田の静止の声も虚しく、私の体は浮き上がり… 「ヒィィィィ!!!!」 「上まで行くぜッ伸伸し――――――――ん!」 「おわぁあああああ!!!!」 …空中散歩状態っ☆って怖ッ 母さん、父さん。娘は今、放心状態です。叫ぶ気力もありません。 「…よし、着いたぞー!気持ちよかったろ?」 暫くして、私の地上においてかれていた意識が戻ってきました。 というより、ゴーレムが頭に戻ってきた瞬間、私の中で何かがぶっちぎれました! 「寿命縮むと思ったじゃないの!このクソウサギ!!! せめて何か一言言ってからやれ!というよりもう二度とイヤだ!!」 「アハハっ悪かったさぁ…って、何してッ!その槍は」 「問答無用ッ!!!」 私はラビの頭に槍を落としてやりました☆ 大丈夫、突き刺してはいないから!問題ナッシング! 重みに耐えられないラビは顔面から地に落ちていきました! 「…そーいえば神田は?…置いてきたの?」 「きっと、地下水路…です…」 「じゃあ、初めからそっちでよかったじゃない!!」 「ちょっとした、好奇心…デシタ…ごめんなさい」 「…」 さすがに可哀想になったので、槍を下ろしてやった。 凄いなラビ、アレをくらって意識がまだあるとは…できる。かなりの強豪ッ! 「これから、どうすればいいの?」 「とりあえず、ここで待ってるさー! 一応を連れてくることはユウの任務だったわけなんだし… ユウが来るまでは!オレ、ちょっと戻って用事済ましてくるさー!じゃあ、またあとでなー!」 「あー!ちょっと!」 またあの如意棒らしき物で飛び去っていく。魔女の宅●便みたいだな…! 放置ですかい、こんな不気味なところに…。怖いって…。 なんか飛んでるもん! 「って、お前か!血塗られトンカチ二世…頼んます、噛まないで食べないで…。 にしても、お前も銀色なんだねぇ…私は銀が好きなわけじゃないんだけど……」 やっぱ、クロスの陰謀だろうね、ここまで色が揃ったら… 「っつか、神田遅くない?まさか、置いてかれちゃってる?」 そ、そんな…か・神田! 「わ・私とのあの熱い夜は嘘だったというのね!?あんなにも愛してくれたのに… ここまでこればもう用済み?ポイなの!?酷い…酷すぎるッ!!もう実家に帰らせて頂きますッ なぁんてくさい芝居して神田がすっ飛んでくる…訳無い;」 『おーい、キミ。何してんのーそんな所で…、声全部聞こえてるよ〜』 声 全 部 聞 こ え … !? 「はっぎゃ!スイマセン!さっきの全部嘘!大嘘ー!!!」 『神田が連れてきた女の子か?一応大丈夫だと思うが…って室長?』 『門番の身体検査受けてねー』 「へ?門番?」 後ろを振り向けば…、なんかいる。なんかくっついてる。 人面扉…まさか、アレが門番?ゲートキーパーって書いてあるし…門番って普通は人間でしょう! あぁ、そうだった、ここじゃ私の普通は通じないんだ…冷静に! 「あーです。お願いします…って近いなヲイ!!」 「レントゲン検査!アクマか人間か判別!!」 しなくてもー…私人間なんだけど…ネ。 そんな風に安心していた瞬間… 「コイツ、アウトォォォォォォ!!!!!」 と、叫ばれました。 「へ?アウト…、野球?」 「こ・こいつ、何も映らねぇよ!人間でもアクマでもない生命体だァア!!!」 「はぁ!?何言ってるの!私は人間だって!さっきまで神田もラビも一緒にいたもの! あいつ等に聞けば分かるわよ!第一連絡きてるはず――ってなんやねェェェエエん!!」 上空からなんか降ってきた、なんかロボットふってきたよ!!! 可愛く帽子被っちゃって…いやいやそうじゃなくて!! 何故上からロボット降ってきた!? 「侵入者ハ除外。直チニ除外スル」 「し・侵入者ぁ!?ちょっとふざけないでよ!私がここまできたのはラビの所為でッ」 『ちょっと室長ッ!分かってやってます!?アンタまた変なロボット作って!!あの女の子は―』 『ふふふっこの優秀な僕が作ったロボットに狂いはなーい!!!』 アンタが狂ってるよ!見知らぬ人よ!! 『さぁコムリン・改!出撃だぁあ!!!』 『室長!!誰か止めろ!!!おい、とりあえず逃げるか応戦しろ!!!』 な・なんだっていうのよ!!! 『除外、除外!』 迫ってくるしィィ!!! 「ぎょわぁぁあああ!!!!何とかしてよォォ!!!」 ロボットは執拗に私を追っかけてくる!!な・なんだっていうんだ!!くそぅ! 殺される!このままじゃ絶対殺されるわぁああ!!! 『フハハハハ!!いけ、いっちゃえコムリン!!』 「襲うなら置いていったラビを襲えェエエ!!!ってヒィ!!」 ロボットの手らしきものが私に降りかかってくる! 何とか逃げてるけど…このままじゃぁ追い詰められちゃうって! それこそ…絶体絶命の大ピーンチ☆ あぁ!この世界に来てからろくなことがないッ!!!! これも全部… 「変態仮面の所為だろぉぉ!!!?」 まだまだ、ロボットは迫ってくる!もう、逃げ場がない! 手には槍、頭にはゴーレム…こうなったら… 「い・いけ!モン●ターボール!もといゴーレム!!」 とりあえず、頭の上のゴーレムひっ掴んでロボットになげつける! そんでこう言う! 「それ、美味いよ、食べちゃってv」 きっと腹ペコだったんでしょう…ゴーレムは…あのすばらしい口で ガリッ 立派にロボット噛み砕いております。 『キャァァァァア、コムリンが!僕のコムリンがァアア!!』 「ちょっと!ふざけないでよ!私は、あの変態赤毛仮面クロスによって呼ばれたの!!」 『五月蝿い!僕の可愛いコムリンを食べさせるなんて…酷いじゃないか!あんまりじゃないか!! えぇい!コムリン!!!やっちゃってぇぇぇえ!!!!!』 コムリン、私をターゲットロックオン☆ 頭にゴーレムつけたままで、私に突進してきやがりました!! 「ッッやられてたまるかぁ!」 私は手に持ってた、必殺の槍を振り上げて…、 決死の覚悟で両目を瞑って、コムリン目掛けて振り下ろした。 スパンッ メキョッ 私は恐る恐る目を開ける…すると、 私の目前で真っ二つになってるコムリンが…、あ・でも頭はへこんでらー… ゴーレムも飽きたのか、頭から離れて空を飛び回ってる。 「おい!怪我ないか!?」 「あ…神田」 神田は刀をしまいながらこっちにむかってくる。 な・なるほど!真っ二つになってるのは神田の…、助けに来てくれたんだ 「ありがと、まじで死ぬ寸前だった!」 「…ったく、大袈裟なんだよテメェ」 「だって、戦えないのにあんなものが迫ってきたらどうしようもないでしょう!?」 「…大体、お前が俺の警告を無視してラビのやろうと行くから悪いんだ、アホ女」 心配の言葉は最初だけですかい、少年よ。 だけど、少しだけ荒い息遣い…急いできてくれたの? ちょっとは心配してくれたんですねぇ…神田っち☆ 「神田が何言ってるか全部聞く前に、ラビが出発してるんだもん。つかなんだったのアレ…」 「ラビのイノセンスだ、後で本人に聞け。それより、コムイ!どーいうことだ!?」 神田がギロリと門番を見上げた。 門番、その威圧にびくついてらっしゃる、可哀想だけど…始まりは君なんだからね!? 「だ、だってよー…なにも映らないんだぜ!?ソイツ…敵だったらどうするんだよ!?」 「こんな間抜けでアホ丸出しな女が敵な訳無いだろう?」 「ちょっと神田、何気に酷いこと言ってる!」 「よく見ろ、こいつのゴーレムはクロス元帥のゴーレムだ!」 『……あ、そういえばそうだねぇvゴメーン!僕の早とちりだったみたい!(嘘) というより早く言ってくれればコムリン止めたのに…壊されることも無かったのにー すべては神田君とリーバー班長が悪いって事で☆ほらほらー!リーバー班長ッしっかり謝って!』 責任押し付けちゃってるよ…。 神田に関してはこめかみに青筋まで立ててらっしゃいます、お怒りモードです。 ていうか、言ったじゃん!何度も神田とかラビとか名前だしたし、変態の名前も!! あー、なんだってんだあの人!! 『なんで俺っすか!?あコムイ室長、逃げないでくださいよ!! あーとりあえず、悪かったな!うちの室長の暴走のせいで…完全にわかってやってたな、あの人…』 「あー…もう、いいです、疲れ、溜まっ…てぇ?」 足に、力が…入らない? 緊張が解けたせいかな…、あ、駄目。立ち上がれない。 「何してんだ?」 「いや、別に…ちょっと―」 頭が、クラクラ、する 『お、おい!大丈夫か!?怪我したのか!?』 「い・いえ、そういう訳、じゃー……って?」 急に、体に浮遊感と温もり、あぁ…これ、なんか覚えがある。 アクマに襲われた時に…神田が… あぁ、瞼が重たいや…頭がはっきりしない… 「医務室いく、ぞ!」 「…かん、だ…」 ありがと、ゴメン、ちょっと眠るね。。。 はっきりとひとつだけ。 「ッ!?」 まどろんだ世界で、『』って神田が呼んでた。 |