うふふ、待たせてしまってごめんなさい!
みんなのアイドル、そして世界は私のために回ってる!
闇も光も似合うのはこの私!な、リナリー・リーよ!
久々な出番なのに…なんで私とラヴシーンが余り無かったのかしら…。

チッ、コレもアレもあのパッツン女男と得体の知れねェ白髪のガキのせいね…。
さぁて抹殺の準備をしなくちゃ!宴よ宴ェ!!
やつ等をさっさと血祭りに上げて差し上げなくちゃッ!

ふふふ、あら!、どうかしたかしら?
え?私からなにか『イケナイモノを感じる』って…そんなっ!
大丈夫よ、何も怖がらなくても大丈夫だわ!

ささ、早くこんな奴の案内を終わらせて一緒に行きましょっ!





魔王の申し子様のご案内





「私は室長助手のリナリー、室長の所まで案内するわね」


そんなあなたのバックには黒いオーラがお目見えしてますよ。

室長のところまで案内してあげるから感謝なさい

そう言ってるかのように。こ、怖ぇえ!!


「はい、よろしくお願いします!」


それなのにアレンは純真無垢!
マテ、アレン!そこは突っ込むところだって!
黒いオーラ丸出しなのに、何故あえてのスルー!?



とまぁ最初っからこんなんでスンマセン、あらすじいっきまーす☆



任務を終えて私と神田、ゴズの3人は、無事に教団にたどり着くことが出来ました。
傷だらけの神田は「ついてこいや」といわんばかりにズンズン自室に戻ってしまう。
もちろん私の腕は彼が掴んだまま。

イヤン!そんなに私が恋しいのかい神田君!

なんて冗談言ってると殺されるので置いといて…。
部屋についた神田は何か知らないけど一安心、私もやっと解放されました。
そして私たちは禁断の世界へ…。
あぁソコは駄目よ、恥ずかしいのよ、なんて言っちゃいそうな神田を脱がすために神田をLet's押し倒し☆
そこに良くも悪くもゴズが参上。顔を真っ赤にしてましたとさv
ゴズは医務室に行くよう進め、神田もそれに従った。
ツンデレ神田にお礼を言うゴズ…そして別れ際に、何故私がゴズにハグされてるんですかね?

さてさて、神田と一緒に医務室に行くことになったのだけど(私は邪まな願望のため)
神田の体についた生々しい傷を拝んでしまった。
あぁ、嫁入り前の体なのに…!と嘆く私に神田はツンデレっぽく「お互い様」だってさ。
空気が和んだその瞬間。

門番、アレスティーナの雄たけびが響き渡りました。

なんと侵入者が現れたそうな…って、信用ならないゾ!私も間違えられたんだ!
と、疑惑の目を向けているとかんだが窓から外へ行こうとしているじゃァ在りませんか!
マテ!まだ死ぬには早いぞ!」と私は神田の服を掴む、が

ここでラビ以来の空中散歩(望んでないけど)になってしまいました!

神田にそのまま俵かつぎされたけど…バカは侵入者のところへといってしまう!
神田は容赦なく彼に切りかかるけど、彼もイノセンスを発動した。
なんと彼はエクソシストだと判明!さらに私も思い出す!
この世界に来る前に見たキャラの名前…『アレン・ウォーカー』彼もまた、変態仮面クロスの関係者だったとさ!
これで解決と思いきや、空から降ってきたクロスの使い魔黒姫!
黒姫のターゲットはアレンのゴーレム、だけどそのスピードで私の頭に直・撃!
、墜落の危機を我がイノセンスで防ぐと同時に、久々の黒き女王リナリーに救われました
リナリーは黒き毒でアレンと神田をねじ伏せて…やっとのことで中に入ることになったんですが。。。


リナリーは相変わらず不機嫌丸出し。。。



「さっさと済ませるわ、も一緒に来てくれるわよね!?」
「え、うん…アレンと話もしたいし!」
「僕もですよ、師匠の行方がつかめないで居たから…ここで師匠を知る人に出会えてよかったです!」


ニコッと笑うアレン。
あぁ、眩しいよう!素敵だよう!黒くないよー!
私はこういう笑顔を待ってたんだよ諸君!

と和気藹々としていると、神田がじっと見てきた。


「何よ、バ神田
「馬鹿言うな」
「神田なんて馬鹿で十分!人の話まるで聞かない神田なんて知らないもんねーっだ。
 実は私たちが仲良い(一部を除いて)から、羨ましいんでしょー…へっへーん!」
「…」


神田はバツが悪そうな顔をして…踵を返した。


「あ、カンダ!


そんな神田をアレンが呼び止めた。
そりゃぁさっき一悶着あったんで、神田さんはいい思いしてないんでしょう。

ギラギラと目を吊り上げさせて振り返ってらっしゃった。
アレン、ビクビクしてる。やめたれ、子犬みたいじゃないか



「って名前でしたよね…?よろしく」


すっとアレンから差し出された手。握手をしたいんだろう。
あぁこれでやぁっと仲直りかな?と思っていた私が馬鹿でした。


神田はより一層怪訝な顔をして



「呪われてる奴と握手なんかするかよ」



といいやがり、スタスタと歩いていってしまった。



な、



「何アレ!性格の悪さ滲み出すぎでしょ!」



アレンはアレンでなかなかショックが大きかったらしく、
リナリーは黒い微笑みを向けてらっしゃいます。



「ゴメン…神田、ちょーっとばかし気が立ってるだけだと思うから」
「(差別…)」


うわー…やっぱ相当ショック大きかったんだ。。。
顔が引きつってるよアレーン!!


「やっぱ…私、神田を追いかけるよ」
「え!そんな…!」


リナリーは私に一気に詰め寄ってきた。どこへいった、黒いオーラは!
現在のリナリーのバックには、はかなく散っていく花々が見えたぞ。
ま・末期かな、あたしゃ


「イヤよ…折角一緒になれたのにまたはなれるなんて…!耐えられない!」
「え、ちょっと?」
「それも得体の知れねぇガキと2人きり?そんな苦痛があってたまるもんかコンチクショウが!
 私は可愛くて愛しいがいればそれでいいのよ…貴女がいれば世界なんて!」
「コラ待て、落ち着いてリナリー!」


私はリナリーの言葉を遮った。
エクソシストが一介の女と世界を比べるでない!


「私が帰ったからには、また会えるよ?それに後で食堂いくから…一緒にご飯食べよ?」
「ッ…うぅん!その誘い方…素敵よ!愛くるしいわ…!分かった、私頑張って耐えるわ!あぁでも」


バックの花々は散るや否や刺々しい黒い薔薇へと変化していきました。
ふわっと黒いオーラが漂う。出た、女王オーラ!!


うっかり誰か殺しちゃっても許してね☆
許すかぁ!!


うっかりすな、うっかり!!!

可愛くウィンクしても、そこには明らかな殺意が見えるぞリナ嬢!
アレンはそのオーラに当てられたか身震いしている。


「じゃあアレン…またね!生きて会おう!
「え…ど、どういうことですか!?」
分かることさ☆あ、黒姫そのまま連れて行って!ティムに会って嬉しそうだから!」


まぁ、アレンには噛み付かないでしょ、黒姫。
ティムキャンピーと相変わらず嬉しそうにじゃれあってるからね!
黒姫はクロスに作られた、つまり兄妹みたいなものなんだろうし…。


それより…
これからリナ嬢の恐ろしさ…身をもって味わってくれたまえ!

私はそそくさと神田を追っかけた。


これからアレンは…ヘブラスカの『アレ』を受けに行くんだと思う。
まぁそんなのは恐怖といえない。
コムイさんの狂いっぷりも、科学班のどんよりした空気も…何を差し置いても!


真の恐怖は…


あのリナ嬢にあるんだから…!





その後…アレンに会うのは翌日までなかったけれど…
自室に戻る頃にはげっそりしていたらしい。





私は急いで神田を追っかけた。
神田はどうやら自室に戻ったらしく…私はノックもせず扉を開けた。


へい大将!
「…ノックもせずに人の部屋に入るんじゃねぇよ」
「イヤン、このネタにツッコミもいれてくれないのね…まぁ!私と神田の仲じゃない!」


って体くねらしていつもの調子で言っても、神田君は不機嫌丸出し。
おーい、追い討ちをかけるようなツッコミもなしですかい?寂しっ!
というか、1人でやってる私が激しく虚しい

神田はベッドに寝転んで、窓の方を向いてて表情は見えない。


「んで?どうしたの、一体…」
「見れば分かるだろ」
「アレン、そんなに悪い子に見えないよ?あの子はアクマじゃない」
「…ティムが居たならそうだろうな」


じゃあなんでよ?
って私が聞くと、神田は素っ気無く「さぁな」としか答えない。

おい、これじゃあまるで…私が怒られてるみたいじゃないか!



「ねぇ神田ー」
「…」
ねぇムー●ン♪こっち向ーいて?
「あ?何だそれは」


何!?あの国民的アイドル、人からはカバと呼ばれてしまっても
カバじゃない」と言い張る可愛らしい生き物を知らないだとー!!
あのムー●ン谷に住んでるんだぞ!?パパもママもガールフレンドだっているんだぞ!
リ●ルミイとかスナ●キンとかだって有名じゃないか!

ム●ミンをなめてるわ!!!


「あんた…日本人の風上にも置けないわっ!
「わけの分からないことを言ってないでアイツの所に行ったらどうだ?」


訳分からんて…チッキショー!!覚えてやがれ!

ていうか、アイツって…リナリー?それともアレン?
大穴のコムイさんか?さらに大穴の変態クロスか?…お断り!


あ、もしかして!


「神田、もしや君…」
「あ?」
「みんながアレンばっかり庇ったうえに、自分はリナリーに捻じ伏せられたからすねてたの?
「ッ!?」


神田はベッドから飛び起き、私のほうを見た。
その顔は…少し赤い!わほー!!


「お、その顔は図星か?なーんだ!そうだったのー神田ってば☆やっぱりお子様だ!」


神田は若干どもりながら

「違う!ふざけんな馬鹿女!」

そう反論してきた。いやー、そういわれましても!
顔にそう書いてあるって言うかなんと言うか…とにかく!

の勘は当たるのさ!


神田はツンデレに加えて、甘えんぼさん…っと」
「テメッ!何書いてやがる!」
「え?『ちゃんメモ☆パート2』のこと?秘密よ秘密v乙女の秘密ー」


こうやっていろいろ書き留めといて弱みでも何でも持っておけば
いつかは使える日が来ると信じてるわ!
まぁ大半が好奇心という名のただの自己満足なんだけどね!
ちなみにパート1はすでにびっしり書き留めた!うふふのふ〜!

息を荒くしていた神田もやがて落ち着いたらしく、ベッドに座りなおした。


「…言っとくが、俺はそんなことで気を悪くはしない」
「…へぇ。でも…私の頭の中はそうだってことで自己解決しちゃってるんで!」


そこんとこ、ヨロシク☆
と笑ってやると、神田は溜息をついた。

でも…ちょっとは不機嫌が治ってるみたいで良かった…。
原因はどうであれ、あそこまでツンツンされるとだってめげちゃうぞ!


「それはそうと…神田!あんなに激しく動いて傷口とか開かなかったの?」
「開くか。俺の傷の治りは早い」


なんかそんなこと言ってたような…。
でも、さっきもそう言って医務室いってひどい怪我だったのに!


「見せてみて」
「は?」
お前の裸を…ゲフッ、傷を見せてってば!」
「(今、邪まなモンが見えたか?)何言ってやがる。平気だといっただろうが」
「じゃーさっきから突っ込もうと思ってたんだけど、コートのボタンかけ間違えてるから


…暫しの沈黙。





神田はコートを見てやっと気がついたらしい!
いそいそとボタンを直し始めた。…動揺しすぎ!


「ほら!動揺してる…なんかある証拠じゃない!
 むこう向いてる内に私に見せないようにコートのボタンをかけてたね?」


またもビンゴらしく神田はそっぽを向いた。
まーこういうとこが萌えるんだけどね。萌え要素だ、うん!


「…で、どうなのよ?」
「大したことは、ない」
「ほっほーん?じゃあ見せられるんですよね、神田君や?」


私は勝利を得たらしい、神田は黙ってる。


「…、第2ラウンドいっきまーす☆」
「おいッやめろ!」


神田に近寄って、ベッドにそのまま押し倒して
神田に跨って、コートをひっぺがした。


「ッ!」


神田、声になってません。顔が紅潮してます!うひゃー萌え
よ、ヨダレが…(汚い) なによその、初々しい反応は…!

あー悪代官さまの気分!サイコーじゃ!
はたから見たら、確実に危ない光景でしょうね、コレ。
でも、私はめちゃめちゃおいしいポジションなんで問題ナッシング!


すると胸に巻いていた包帯に薄っすら血が滲んでることがわかった。
でも、それは濃くなることもせず…神田が言ってたように傷の治りは早いみたい。


「ッどけ!」


さっきまではうっすら高潮していた神田の顔がかなり真っ赤!
きゃぁ恥ずかしがっちゃって!初心なやつじゃの〜萌え…!

私はあえて退かずに、自分の団服のポケットから(こっそり医務室で拝借した)包帯を取り出した。
傷は閉じたとはいえ、ばい菌が入ったら大変だしね!



「とにかく、包帯巻きなおそうか」
「…チッ、分かったからそこをどけ!アホ女」
「アホ言わない!心配してるのよ…」


私は神田から退いた。神田はゆっくり起き上がり、座りなおした。


「心配なんかするんじゃねぇよ。俺は平気だ」
「…神田が平気でも、神田の未来が心配よ…」


私はぐっと拳を握った。


嫁入り前の大事な体なのに、傷物になっちゃ困るわ!!
誰が嫁だ!誰が女になった!?
「あ、じゃあ婿入り?
「やめろ、お前の妄想には付き合いきれねぇ…」


といいつつ、ちゃーんと突っ込みいれてくれるあたりかなり優しいぞ神田君!

神田はコートを脱いで、包帯を手早く外していった。
医務室で見た傷は相変わらず生々しいままで…。
でも開いたはずの傷は、やっぱり閉じられていて出血はない。うん、良かった。


「…私巻こうか?」
「自分でやれる。こういうのは慣れてるからな」


慣れてるって…何度も怪我してるってこと?


「…神田ってさ、怪我する率高いのね?」
「…他の奴らに比べたら少ない方だろうな、これでも」
「え?じゃあラビとかの方が怪我が多いってこと?」
「奴はブックマンと一緒にいるから、そこまで怪我はしねぇな」


ブックマン?…えーっと、ラビが確か自分で『ブックマンの後継者』とか言ってたような…。
そもそもブックマンって何?そういう職業とかなんだよね?後継者って言うくらいだし…。
じゃあラビのほかにもそういう人がいるって事?


「…ブックマンって何人もいるもんなの?」
「1人しかいねぇよ。あー、あのウサギ野郎は弟子だからな、正式なブックマンではない」
「ふーん…ってことは、今のブックマンさんが引退したら、ラビをブックマンって呼ばなくちゃいけなくなるわけだ」
「だろうな」


うわっかなりややこしい!
ラビはラビでいいじゃないか、仲間なんだし!

そういうと、神田は黙ってしまった。どうやら包帯を巻き終えたらしい。
あら、なかなか器用にまけてるじゃないか。さすが慣れっこは違う!



「そーいえばさ、ラビって今任務中?」
「ここに居なけりゃそうだろうな」
「うーん…私たちが任務に行く前から居なかったんだよねー。
 うん、確か私がリナリーと一緒に科学班のとこにいったときには既に居なかったかな?」
「エクソシストは少ねぇからな。だから、任務に追われる事だってあるだろ」
「え?じゃあ私もすぐ任務につかなくちゃいけないのかな?」


しかも1人だったどうするよ?私守る事は出来ても、破壊は出来ないし…
というかこのままじゃ役立たず同然ですぜ?兄者…(誰)



「お前…コムイから聞いてねぇのか?」


は?コムイさん?
私が首を傾けると、神田はため息をついていた。
いやいやいや!何でため息つくんだYO!


「お前はしばらく俺と行動することになってる。つまり俺に任務がつかないうちは任務はない」
「そんなこと聞いてなかったよ?うん、もしかしたらあの書類に書いてあったんだろうけど…
 ほら、私英語読めないからさー☆あははははーん」
「笑いごとじゃねぇだろ、なんとか覚えやがれ」


基本的なことは知ってるんだけどねーそれを応用したものが、ここじゃ日常的に使われちゃってるもん。
ムリムリムリ!

ここはコムイさんに翻訳機作ってもらわないとね…。コムリンとか作る前にさ!
というかクロスも黒姫にそういう機能もつけといてほしいもんだよ…。
凶暴化するとか必要ないっつーに!



「……おい」
「へ?」
「…食堂、行くぞ」


あ、そういえば…ご飯まだだった!!
それに私、リナリーと約束してるんだった…。
まだアレンといるかな?あー…アレンが心配になってきた。

女王のオーラを堪能しちゃったらもはやそこは地獄と化すだろうに


「神田!ちょっと急がないと食堂が地獄と化すかもしれないかも」
「は、地獄?」
「そう!我らが女王様がご立腹なさったらもはや止めようがないわよ!」


そういったら神田は顔を青ざめてた。あー分かっちまったようだ。


「…お前、先行け」
逝けだとぅ!?私を生贄にする気なのね…!人間性疑うわー」
変換を間違えるんじゃねぇよバカヤロウ!第一お前に人間性量られてたまるかよ…。
 お前が先に行けば、被害は最小で済むだろうが!ちょっとは考えろ!」
「あーナルヘソ!」


つまり神田はもう二度と女王様のハイパーキックを喰らいたくないという事ですか?
次喰らったらきっと日の光は拝めないと思ったんでしょうね
ええ、彼は幾度となく黒きオーラに当てられ生死の境目彷徨ってましたからNE!


「じゃぁ先行くね!」
「あぁ」


私は走って食堂に向かった。


待ってくれリナ嬢!アンタが手を赤に染めるのはまだ早いぞ!!







「リナリー!!!」
「あら、!遅かったじゃない…まさか、神田に襲われてたって事はないわよね?」


うふふ、と可愛らしく微笑んでいるのに、何故背景に魔王が見えるんだろうか。
い、いけない!きっと疲れてるんだよ、私!リナリーの顔だけ見ていればヘーキ!


「アレンは?」
「………兄さんのところよ」
「あー、やっぱり?」


いかれてしまったか、ヘブっちのアレに。
鬼コムイさんによる、こわーい悪戯シリーズ第4幕かな。


「いいじゃない!あんな白髪野郎放っておけば!さぁ、食べましょうよv」
「分かった!分かったから引っ張らないで!」


でもよかった、特に食堂に被害は出てなかったようで…。
アレンには被害出ちゃってるかもしれないけどね!

というか、食堂に人が少ないような気がする、込んでる時間帯は過ぎたから?


「今日はなんか空いてるような?」
「気のせいよ♪」


なんか、一瞬…リナリーの声が喜々としてたような…。ま・まさか!
誰かを食っちゃった!?



…ッそんな目で私を見ないで!」
「あ、ご、ごめん」
「謝る純粋なも可愛いわッ!駄目で…そんな目で見られると、言わざるを得ないじゃない…ッ!


や・やっぱりー!!!
よく見渡せば、この広い食堂の隅っこに、みんなで固まって黙々と食べてる。
しかも…顔真っ青じゃないかッ!


「な・何が起こったの?つーか起こしたの!?」
「なんでもない日常に、ちょっとしたスパイスを加えただけよ?」
「ウソだ…!スパイスで顔が青くなるかー!


可愛そうだよ…でも私には何もできないよ;





まぁそんなこんなで、ご飯にありついた私たち。
ジェリーさんオススメの品々を食べている中、だいぶ遅れて神田が食堂にやってきた。

その手にはもちろん、お蕎麦。


「あー神田、また蕎麦?」
「悪ィかよ」
「ううん、別に!」


何気ないこの会話も楽しいな。


「体にいい物とろうね、少年☆」
「うるせぇよ、アホ」


神田のその言葉に私が反論するよりも早く、リナリーが動いた。


うるせぇって言ったわね神田?が可愛く言っているのに、それをまぁズケズケと


リナリー…頼むからお食事中はそれやめよ!?
ほら、今ご飯取りに行った人溢しちゃってるから!!

神田も身震いして、私たちより少し離れた席に座って食べ始めた。



「そーそー、リナリー。聞きたいことがあるんだけど…」
「何、!何でも言って!」
「あのね…」


私が用件を言おうとしたら、急にリナリーは席を立った。


「え、どうやったら変態共から救われるかって!?そんな…そんなにも、追い詰められていたのね」
「あの、もしもし?」
「大丈夫よ、。私が守ってあげるわ!ええ、汚らわしい野郎共の手からをー」
「ストーップ!!ストップしてくれリナリー!」


後生だから!!
私はリナリーを落ち着かせて席に座らせる。



「シンクロ率、ってどうやってあげればいいの?」
「え、そんなこと?」
「そんなことって言うけど…私、まだ使いこなせてないし」


なんていうか、神田みたいにアクマを壊せないし。
銀・風しか使えないのは多分、シンクロ率が低いからだろうし。

何より、イノセンス自身が「天才☆」とか言ってるから、申し訳無い気がした。



「ひたすらトレーニングをすることしかないわね。アレン君のように寄生型だったらいいんだけど
 私たちみたいな装備型は、繋がっていないからシンクロ率はあげにくいわ」
「トレーニング、かぁ」


やっぱ精神統一かな?
あー…私には無理だな、なんか違うこと妄想しそうだし。
というか絶対やる。あんなことやこんなことを…。

だー!!


「どうしよー、もし自立した時にこれじゃあ…」
「問題ないわ!私が一緒に居るもの!」


地獄の果てまでついていくわ!
いう事が怖いが、可愛らしい笑顔でそういうリナリー。
なんとなく嬉しかった。

まぁしばらくは神田と行動が一緒なんだけどね。

リナリーなら頼れる。黒の教団を牛耳っているリナリーなら。
あの素敵な足技と黒オーラで、事を無理やり運びそうだもん!



「とりあえず、頑張ってみる」
「応援してるわ、!」
「ありがと」


さて、食べ終わったし…この食堂に安息をもたらす為にも
リナリーと部屋に戻ろうかね。
うん、ジェリーさんにも迷惑かかるしね!


「リナリー、そろそろ行こ?」
「え、まだゆっくりしていきましょうよ」
「うー…あ!リナリーと2人きりで歩きながら話したいなー…なんて」


思いついたように話してみる。
コレならうまく誘導できる…かな!?


リナリーは、プルプルと震えている。ま、まさか怒った…!?


「リ、リナー」
〜〜〜〜!!!」


ガバリ。


リナリーは凄く強く抱きしめてきました。


「リナリー!?」
嬉しいの!にそんなこと言ってもらえて!
 あぁこんなことしてる暇なんて無いわね!さぁ一緒に行きましょう!


ああ、嬉しくて震えてたんですかい。めっちゃ上機嫌や無いか
花々撒き散らしてリナリーは私の手を取り出口へ向かう。


その際神田や他のみんなに視線を送る。


「…はぁ」


神田はやっと一息つけたように息を吐き、



「「「(グッジョブ!!)」」」


みんなはそう言ってるような気がした。




「その前に…科学班フロアに行こう?黒姫預かってもらったままだ」
「黒姫?ああ、あの子ならティムにくっ付いて離れなかったわ…多分アレン君のところじゃないかしら?」
「アレン…さすがに迷惑――」
「なんていうか、喜んでるっていうか。機嫌はすこぶるいいみたいよ


…もう、いいや。アレンに任せちゃってもいいかな?


「どうしたの?
「いーや、アレンに任せようと思って。部屋に戻ろっか」
「うん!」


リナリーに手をつながれたまま、私たちは自室を目指す。
他愛の無い話をしていたらあっという間で、
リナリーは名残惜しそうに私の手を離して戻っていった。

え、というか、私の部屋の方が遠かったのか!?



寝る準備をしながら、明日の計画を立ててみる。
あー明日、修練場で練習でもしようかな。
なんていうか、このままじゃ神田に迷惑かかるもんね;

…ま☆しばらく何もないよね!



そう思った矢先に、私と神田に新しい指令が下るだなんて、誰が予想していたでしょう?